エチュード書き起こし
きよなが
【不問3】台本タイトル:闇ノ焼肉屋【コメディー・ホラー・恋愛】
本作は、2020年5月3日 ディスコードサーバー”声劇組”にて
三月龍太郎様、バッファー様、きよながの3人で行ったエチュードの内容をベースに
書いた台本になります。
ネット通話・ネットライブ配信を利用した無料の読み合わせ劇に使用する台本を想定して書いております。(事前連絡不要。アーカイブ公開は一週間以内までとし、それ以上は要連絡とします。印刷される場合は印刷日も必ず印字し、印刷日から1週間以内に破棄して下さい。)
それ以外の用途でのご利用は固く禁じます。無断転載もご遠慮ください。
Japanese version only
元が偶然の産物ですので、当台本を利用し偶然発生した利益に関しては此方から何か問う事はありません。ただし、発生した不利益に対しても当方は一切責任を負いません。
口調が男性っぽくなっておりますが、全員性別不問といたします。
読み手様の自由を妨げないよう、細かいト書きや感嘆符(!)はあえて使用しておりません。
一人称、言い回し等は言いやすく変更してご利用頂いて大丈夫です。
A:♂♀ 少し天然
B:♂♀ どちらかといえばツッコミ
C:♂♀ 独特な笑い方をする店員
上演時間:15分程度
B「ここが闇ノ焼肉屋かぁ。噂によると、来た人の半分が帰ってきていないって
いう。噂を聞きつけて隣県から来てみたけど、店内が何も見えないぐらい暗い。
もしかして今日は閉まってるのか?くうう、なんか冷えてきた。
アイツ、どこまで行ってんだよ」
A「お待たせ―」
B「遅いよ」
A「ごめんごめん、この辺、トイレ全然なくてさ」
B「そうなの?いっそ店内ですればよかったんじゃない?」
A「そうなんだけど、闇ノ焼肉屋だろ?ないかもしれないじゃん」
B「お手洗いが?」
A「うん」
B「そんな飲食店あるか?」
A「何があるかわかんないだろ、だって闇ノ焼肉屋だもん」
B「まぁなぁ。にしても、店内が暗すぎてさ。そもそも今日やってないような気がす
るんだよな」
A「マジかよ。結構遠かったのに。 あ、でも、入口の所、OPENの札がかかって
る。」
B「本当だ。じゃあやってるのかな。」
A「入口、鍵あいてるよ。やってるよこれ多分」
B「マジか。結構度胸あるなぁ、お前」
A「すみませーん。」
間。
C「イーヒッヒッヒッヒ。どうもいらっしゃいませ。ようこそ、闇ノ焼肉屋へ」
B「うおお、それっぽい」
C「何名様ですか?」
A「2人です」
C「2名様ですね。ではこちらの席へどうぞ」
間
B「静かだな」
A「もしかして、お客さん僕らだけですか?」
C「いえいえ、今は10名ほどいらっしゃいますよ」
B「暗すぎて何も見えない」
A「まぁ、闇ノ焼肉屋だもんな。徹底したコンセプトを感じる」
B「足元怖いよ」
間
C「こちらでございます。」
B「ああ、なかなか座り心地の良いソファだな」
A「な」
C「こちら、メニューとなっております。ご注文がお決まりになりましたらお呼びく
ださい。それでは、ごゆっくりどうぞ。イーヒッヒッヒッヒ」
間
B「最後とってつけたように。」
A「うん。最初だけかと思った。」
B「まぁ、いいか。それじゃ、メニューを。」
間
B「見えるか」
A「見えない」
B「暗すぎるんだよな」
A「な」
B「呼ぶか」
A「うん」
B「すみませーん」
間
C「はいはい、失礼いたします。こちら、暗黒のお冷となります。どうかされましたか」
B「何が暗黒なんだ?」
A「あの、すみません。ちょっと暗すぎてですね。メニューが見えないのですが」
C「なるほど。なるほど。イーヒッヒッヒッ」
B「なにわろてんねん」
C「お客様は、カップル様でしょうか?」
B「は?」
C「お客様は、カップル様でしょうか?」
A「なんですか突然」
C「当店では店内が暗いと仰るお客様の為に、ランタンを有料レンタルしており
ます」
B「金とるのか」
A「おいくらですか?」
C「通常は10万円です。」
B「たかっ」
C「ですが、今は連休中ということで、カップル割、というサービスを行っておりま
して、カップルの方でしたら、100円です」
A「落差すごい」
B「じゃあカップルです。」
A「え?良いのか?」
B「この場合しょうがないだろ」
A「・・・」
C「かしこまりました。では、ランタンをお持ちいたしますので少々お待ちくださ
い」
間
A「なぁ、この後って暇か?」
B「え?この後って、もう良い時間だろ。明日仕事だし、帰って寝るだけだよ」
A「え、仕事なのか?」
B「おう、昼からだけどな」
A「ならよかった。実は俺、近くのホテルをとってたんだ。セミダブルの。
ほらこれ、部屋の鍵」
B「そうか。え、セミダブル?」
A「昼からだったら、全然間に合うだろ?お前とこうなれて嬉しいよ」
B「どういうこと?」
C「お待たせいたしました。こちら、ランタンでございます。」
A「ああ、きたきた。うわ、これ結構明るいな」
B「え、うん。そうだな」
C「直接見ると目が焼かれますのでご注意ください」
B「危ないな」
A「なんか今は希望の光に見える」
B「お前今の聞いてなかったの?」
C「お食事はお決まりでしょうか?」
B「だから今までメニューが見えなかったんだって」
A「まあまあ。何かお勧めはありますか?」
C「お勧めでございますか。当店で扱っております肉は、
牛の心臓・豚の心臓・鳥の心臓。そして馬並の心臓となっております」
B「ハツばっかりじゃん。」
C「それはもう、当店は闇ノ焼肉屋でございますので」
B「馬並ってどういうこと?馬じゃないの?」
C「はい、先日までウチで働いていたバイト君です」
B「は?人なの?」
C「はい」
A「おいくらですか?」
B「おい」
C「8万8千円になります」
B「たかっ」
A「いいよ、せっかくだったら、らしいものを食べないと。ここは俺が出すからさ。
記念に」
B「なんの記念?」
C「かしこまりました。では、ご用意いたしますのでしばらくお待ちください。」
B「なぁ、なんの記念なんだ?」
A「この水、すごく黒いな」
B「え、ほんとだ。だから暗黒のお冷なのか?」
A「徹底したコンセプトを感じる」
B「飲めるのか?」
A「(飲む)」
B「どう?」
A「すこしショッパイし、なんか重い」
B「塩水なのか?」
A「流石は 闇ノ焼肉屋」
B「そういう問題か?」
C「イーヒッヒッヒッヒ、失礼いたします。こちら、馬並の心臓でございます」
A「ついにきたな」
B「本当に人間のなのか?」
A「そんなわけないだろ?」
C「こちら、焼かせて頂きますが、まずは是非生でお召し上がりください。」
B「生?無理だよ、当たったらどうすんだよ」
A「いただきまーす。」
B「きけよ」
A「 あれ、なんかジャリジャリする」
B「砂ぎもか?」
A「砂ぎもじゃないよ、ちょっと甘いもの」
B「ジャリジャリして甘いの?最悪じゃん」
C「生のお味には、暗黒のお冷が良く合いますよ」
A「(飲む)ほんとだ、なんか癖になる味」
B「マジか。気になってきた」
C「ちょうど焼いたものも出来上がりましたのでお召し上がりください。」
B「 こっちは普通にコリコリだ」
A「な、鳥みたい。おいしいね」
C「沢山ございますので、是非食べ比べしてみてください。」
A「ありがとうございます。」
C「それでは、ごゆっくりどうぞ。イーッヒッヒッヒッヒ」
B「出た。」
A「焼いたら本当に鳥のハツみたいだね」
B「ってか本当に鳥なんじゃないの?鳥だとしたら8万は高すぎる」
A「まぁまぁ。コンセプトバーみたいなもんだろ」
B「そういうもんかな。 あ、ホントだ。生はお冷とよく合う」
A「だろ?いけるよな」
B「いけるけど、大丈夫なのかな」
A「なにが?」
B「いや、生だし」
A「大丈夫でしょ、このご時世にご飯屋で食中毒なんて起こしたらやばいもん」
B「まぁ確かに」
A「あー、ビール飲みてえ」
B「車だもんなぁ」
A「立地的に損してるよねここ」
B「確かに。車でしか来られないもんな。周りに何もないし」
A「ホテルまで我慢するかぁ。付き合ってくれよ」
B「ああ、うん。良いけど。」
A「そのあともな」
B「ん?」
C「すみません、お客様」
A「ん?はい」
C「お楽しみの所申し訳ございませんが、お帰りの際はこちらのアンケートのご記入
にご協力ください。」
B「アンケート? ああ、店の感想的なあれか」
C「よろしくお願いいたします。イーッヒッヒッヒッヒ」
間
B「疲れないのかな、あれ」
A「さぁ。でも徹底したコンセプトを感じるね」
B「いや 明らかに取ってつけだろ」
A「さて、アンケートアンケート、と。」
B「えーっと。”1.本日のお肉はなんでしたか”、と」
A「馬並だな」
B「鳥なんだろ」
A「でも一応馬並だろ。馬並、と」
B「”2.お冷はそのお肉の血液を濾したものを使っております。いかがでしたか”」
A「すごいコンセプトだな」
B「うわあ、なんか気持ち悪くなってきた」
A「少ししょっぱかったです、と」
B「えーっと、次だな。”3.また食べたいと思いますか。”」
A「俺は好きだったな。」
B「なんか俺は気持ち悪くて、もう良いかな、って感じ」
A「そうなの?お前が無理なら、俺も、もうやめとこうかな。」
B「別に合わせなくて良いけど」
A「もう良いです、と。じゃあホテルで飲み直そうか」
B「そうする」
A「アンケート終わったね。それじゃ出ようか。すみませーん、お会計お願いします」
C「イーッヒッヒッヒ、かしこまりました。ランタンを消しますね。それではレジま
でご案内いたします。」
B「消したらやっぱりすごく暗いな」
A「徹底したコンセプトを感じるね」
B「お前はそればっかりだな」
C「お会計、8万8千100円となります」
B「100円の蛇足感やばい」
A「カードで、お願いします」
C「かしこまりました。お支払いは1回でよろしいですか?」
A「はい。ごちそうさまでした。」
B「なんか寒気がしてきた。早く出よう」
A「そんなに焦るなよ。ホテルは逃げないぞ」
間
B「あ、あれ?入口が開かない。」
A「え?」
B「押しても引いても全然開かないんだよ」
A「どういうこと? あれ、ホントだ」
B「おい、どうなってるんだよ。店員さーん」
C「イーッヒッヒッヒッヒ。申し訳ございません。
その扉はわざと閉めております」
B「は?」
C「アンケートの、”また食べたいと思いますか?”に対し、
いいえ、とお答えなさいましたよね?」
B「それがなんだよ」
A「まぁ、僕は好きでしたけどね」
C「リピーターにならなさそうなお客様に関しましては、
このお店のお肉になってもらう決まりになっておりまして。」
B「は?」
A「え?」
C「さばくのにはこのナタを使います。なるべく痛くしないようにしたいと思います
ので、動かないでくださいね」
B「じょ、冗談だろ」
C「お一人目。」
A「 」(絶命してください)
B「あああああああああああああああああああ」
C「よかった、一撃で済みました。ご理解のあるお方で助かります」
B「お、おい、やめろ。くるな。くるなぁ」
C「イーヒッヒッヒッヒ。お二人目」
B「ガッ ああああ」
C「あーあ、動かなければ一発で済むのに」
B「い、痛い。嘘だろ、助けてください。お願いします。誰か助けてえ ヒィッ」
C「どうか お許しくださいね これが 当店 闇ノ 焼肉屋 の ルールと なりますので」
B「 」(絶命してください)
間
C「あーあ。これは掃除が大変だなぁ。ご理解頂けないお客様は困りますね。
嫌なら、また食べたいと言ってくだされば良かったのに。
次のお客様は、リピーターになってくれると良いなぁ。イーヒッヒッヒッヒ」
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