Robowth

 二人は急いで研究所の外へ出た。空には無数のロボットで空が見えづらくなっていた。


「ロボットがこんなに……どうすればいいんだよ。ニア」

「俺たちは人類を守るんだ」

「こんな数どうやって」

「泣き言をいうんじゃねぇ!!なんとかすんだよ!!片っ端から倒しまくって俺らに注意を引かせるんだ」


 そう言うとニアは、右手を変形させ対物ライフルにすると、敵を落とし始めた。


「transforming アサルトライフル!!」


 トルイドも一緒に敵を落とし始める。しかし、確実に減らしてはいるが、数が減らない。


「くそっ拉致があかない。トルイドお前がノートル博士を壊してこい!!」

「こんな数ニアだけじゃ無理だろう」

「一人も二人も一緒だよ。ここは俺に任せろいいからお前はこいつら出てくる場所を叩け」

 

 トルイドは走り出した。博士を守っていたはずなのに、博士が敵だった。もう訳がわからなかった。


 トルイドは、敵が出てくる場所「南のアジト」に到着した。


「あれれ?もう来ちゃったの?」

 博士の声が響き渡る。


「まだ来てもらうにははないんだよね。とりあえず、こいつの相手しててよ」


 奥からP-100に似たロボットが現れた。トルイドは頭を集中して狙いまくった。すると、相手は透明化し始めた。トルイドは、レンズをオンにし敵の居場所を確認した。


「なんだこれ…!!」


 周囲に透明なロボットがいた。一斉に攻撃を仕掛けてくる。トルイドの損傷箇所がいっきに増えていく。


 なんとかP-100を倒す事ができたトルイドは、ノートル博士の元へと向かった。


「どう?楽しんでもらえたかな?」

「楽しむだと。今まで騙してきやがって……」

「あれ?楽しくなかったんだ。残念!」


 ノートル博士は残念と言うが顔は笑い続けていた。


「死ね!!」

「そんな単純な攻撃当たるわけ無いじゃん!!ん?そろそろ届いたよ」


 ノートル博士はトルイドの後ろを指差した。そこには、ニアだったものがあった。


「ニア……か?」

「そうだよ!!さっきまで確かにニアだったよ、まぁ今はガラクタだけどね!あははははぁぁ!」


ノートル博士は笑い出した。その後、トルイドも笑い始めた。狂気に染まった顔で。その光景にロボットであるノートル博士ですら後退りをした。


「あはははっひゃーははは!!!!!」

「てんめー!!ロボットだがなんだが知らないがな!!生きて帰れると思うなよ!!」


 トルイドのリミッターが外れていく。その体は人型を維持できなくなってきていた。


 目が紅く光り出す。


「お〜い!ノートルゥ!ひゃはは!逃げんなよ」


 ノートル博士は恐怖を覚えていた。

 トルイドは四つん這いでノートルに襲いかかるそしてノートルの首に噛みつき博士を食べ始めた。


「うまいなぁ、最後の幹部なだけ」


 食べ終えるとトルイドは人型へもどった。その体は修理したてのようにどこも傷ついてはいなかった。


「もっとだ、まだ足りない!!もっと食わせろ」


 トルイドは南のアジトを飛び出し、空を飛んでいるロボットたちを次から次へと食べ続けた。少し立つとロボットもいなくなった。


「まだ、足りない。でもロボットもいない。あっ!まだ人がいた」


 トルイドは人を見つけると襲いかかろうとしたが、しかし突如母親を思い出した。


 母親が初めて買ってくれた服、家族で祝った誕生日。家族旅行。するとトルイドは涙を流し初めた。


「母さん、兄さんまたみんなで仲良く暮らしたいよ。」


 すると、目の前に母さん、父さん、兄さんが現れた。


「何してんだ。トルイド主役のお前がいなかったら盛り上がらないだろ。」


 気付くと僕は、家族全員でケーキを乗せたテーブルを囲んでいた。


「兄さん?死んだんじゃ」

「勝手に殺すなよ。冗談言ってないで早くケーキ食べようぜ」


 兄さんは笑って軽く叩いてきた。


 なんか懐かしいな。この感じ。


 トルイドは皿に分けられたケーキをみんなで笑いながら食べた。


 トルイドはその場に倒れると全く動かなくなり、突然強い光を放ち出した。その光はこの朽ちた世界を包み込んだ。すると第ニ次ロボット戦線で破壊されたものは元通りになっていった。もちろん人間も。 


 人々はトルイドを英雄と呼び、神として讃えた。

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Robowth「彼は成長の歩みを止めない」 羽織 輝那夜 @KinayoHaori

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