二章始りの異世界

002 ニューフェイス

 稲光が雲の中を染め、地面が泥水で50mmほど浸水している。

そんな中で二人の男女が会話していた、一人は中年の神父、もう一人は赤子を抱えた女性だ。


「...神父よ、この子をお救い下さい。」

「分かった、この赤子を15の歳まで育てましょう」

「ありがとうございます!」


 稲妻が会話している二人の近くの木を貫いた。

一週間後...



「むぅ...」


 神父は頭をかかえるようにして一人の赤子に目を向けている。


「まったく、困ったものだ...おむつ替えとは...」

(できることなら俺だって便器でしてぇよ)


 一週間たち、意識がはっきりとしてきた俺はそんなことを思っていた。


(すまないっ!神父様!)



四年後...

ハワード・クラフト四歳

 俺はハワードと名ずけられ、4歳になり、、はじめての礼拝をするところだった。

ちなみに前世に知識で神童ごっこはしているわけではない、心の中で恥ずかしがりながらもなんとか子供のなりふりを模している、まぁしかし、うまくいっているわけではないが、


(...初めての礼拝だ。)

(この世界の事は全く分かっていない...せめて萎える情報でもえられれば)


 といった感じで色々と考えているとノックの音が部屋にこだまする。

銀髪の赤い目をし、青白い美しい肌。まるで吸血鬼のようなsister修道女が俺の部屋に入ってきた。

 日頃世話をしてくれているシスターのAliciaアリシアだ、同時に子供ごっこを妨害してくる存在である、




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 アリシア以外にもう一人シスターがいるのだが、今日はいないみたいだ。

アリシアは、一年前にここにきて、シスターになりたいと眼鏡をかけた中年の神父、newfaceニューフェイスに懇願し、今は俺の世話係をやっている。

すると、アリシアは


「ハワードー初めての礼拝よ、楽しみねーっ♪」


 と声をかけてきたので、


「うん!すっごく楽しみ!」


 と返した。

アリシアさんの声はすごく安心する。

アリシアは俺と手をつなぎ、礼拝堂に向かう道中ので礼拝中のルールを教えてくれた。


「いい?ハワード、礼拝しているときには絶対にしゃべらないこと、女神さまを心から尊敬して

雑念を取り除くの。ニューフェイス神父様によばれるまで返事やしゃべりかけないこと。分かったわね?」


 俺は、「はい」と返事をした。

というか礼拝は孤児が来たその日にやるものではないのかと思った人が大半だろう、まぁ礼拝はした、だが礼拝と明言できるものではなくあれだ、小学1,2年生の図工みたいな感じのあれ。

そうこうしていると、礼拝堂の扉の前についており、扉を開くと礼拝堂には普通の信者、孤児がバラバラに座っていて、ニューフェイス神父様が中央に立っていた。

中央には大きな女神?像が鎮座しており、ニューフェイス神父様が礼拝を始める合図を出した。


「今より、礼拝を始める」

「われらは女神の使い、その使命は死を請け負うこと。今日も誰も死ぬことなく幸福が訪れんことを。われ等が女王の名よりお祈りいたします」


 すると先ほどまで礼拝をしていた神父様がこちらを向き、


「...AMEN。皆のもの貴様らはもう知っているだろうが二年前に新しく孤児が入ってきた今からその孤児のステータスを確認する」

(すっステータスぅ?まさかここまで都合がいいのか!?そういや神父様のキャラもどっかで見たこ

とあるしっ!?)

「ハワード、前に出ろ」


 俺はその言葉にびっくりし、飛び跳ねて『ひゃいっ!』と何とも女々しい声を上げ前に出た


(アハハ~何とも女々しい声~四年生きてるから実感はしてるけどやっぱりいくら精神は大人でも出てくる声は子供だな~)


 俺が女神像の前まで行くと、ニューフェイス神父は俺の耳元で


「ハワード、ステータスとは貴様が生きるための証明書と言ったところだ、職業において一番優先して見られるところだから確認は必須。項目でわからないところがあったら私に聞け、まぁ今は解説をすることはできんがな。」


 と、言った。

すると不意にニューフェイス神父は女神像を指さし、


「さてハワード、ステータスはこの女神像についている黒い板...名前はタブラと言うのだが、これに触れれば女神様が下りてきてくださりステータスを教えてくださる。触れてみろ」


 と言った。

タブラとはルーマニア語で黒板。

女神像を見直してみると確かに黒い板、もといタブラがついていた、素材は大理石に近い物のようだ

俺は言われた通りにタブラに触れると、原理は分からないが白い文字が浮き上がる。


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名:ハワード・クラフト

種族:望月兎人もちづきとじん

加護:未解放

個人特技:未解放

種族特技:脚4(筋+速÷2)

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 科学者をやっていたし、さすがに四歳だ、いくら外国語でも読める。

だがそれ以前にだ、それ以前に、表示されているものが少ない、ステータスとは、分かりやすく言えば、状態の事なのだ、状態未満、個人情報以下だ。

だがしかし、それ以前に気になる部分がある。


「ん?兎人?」

(ヤバ、素出た。)


 そんなことより兎人の事だ兎人のこと、

鈍く反射する女神像を見て顔を確認する。

そこには、髪の毛は女神像と面と向かえば、合わせ鏡ができるような銀、天を指しているような兎の耳、一目見れば、恋に落ちるような深紅の瞳、

俺は訳が分からず頭に手をのせて頭の上を確認する。

耳があった、兎の耳、一瞬思考が停止して無造作に耳を指で揺らす。


「...今きずいたのか?ハワード」

「...うん。」

「とりあえず席に戻ろうか...」


ニューフェイス神父だ切り出した


「うっうん(咳払い)あーまぁステータス確認は終わった。今日の礼拝はこれで終わりとする。みんな、朝飯を食ってきていいぞ」


はーいと礼拝堂にいる孤児は教会の食堂に移動した。

そしてニューフェイスはこの教会に来ている信仰者に対してこう言った


「あー皆さん。今日の礼拝は終わりとなります、各自お帰り下さい。」


と、ニューフェイス神父は礼拝の終わりをつげ、退場する。

去り際にニューフェイスは俺に


「ステータスに関しては、色々とアナログな方法で、計測するところがある、今度計測しよう、あとステータスはお前の部屋に備え付けてあるタブラで見れる。」


と言った。

するとアリシアが俺に声をかけた。


「さてっとハワードちゃん、食堂にいこっか」

「うん!」



...3日後

俺は部屋で色々ステータスをみて考察していた。

すると突然木の扉をコツコツと2回ノックする音が聞こえる。


(イヤ2回はトイレだろ、誰かが呼びに来たのかな、多分ニューフェイスだけど、‟兎に角”4歳のガキにそのネタはキツすぎる兎人だけに。

ツクテーン

う”う”ん”ん”面白くない、反省。まぁここで反応したらただの変人だ、いや変人だけども。)


俺は扉を開き


「はーい」


と答えた、


「ハワード、ちょっと邪魔するぞ。」


予想通りニューフェイスが入ってきた、少ししょぼくれている、渾身のギャグだったんだろう。


「あー少し遅れたがステータスの計測するって言っただろ。」


ニューフェイスが、申し訳なさそうに言った。


(そうだよぉ!ぱっぱと来いよぉ!)


と、心の中で俺は少しだべりながらニューフェイスの対応をしよう、と思ったが、なんとこんなセリフが吐き出てしまった


「ねぇねぇ神父様!早くはじめてはじめて!」

(あー好奇心が全力で表に出てしまった。)


精神と体は表裏一体、体が子供であれば、精神は子供よりになる。

つまりは...TADANOBAKAと言うことだ。


「わかったわかった。」


ニューフェイスは俺の顔に少し顔を寄せた、その時あるものが目にとまった、

痣だ、目の下の痣。


「神父様、その顔...」


俺はニューフェイスに疑問を投げた。


「あぁこれか、あーこれはな、計測しに来ようとした時なんだが...」




ニューフェイスの回想...




「神父様!だめです!」


と、アリシアが叫ぶ。

俺はその言葉に反抗した


「なんでダメなんだよ!」


アリシアは、


「神父様子供の教育するの下手でしょ!私が教えに行きます!」


俺は、


「じゃあこの数日間の間に計測すればよかったろ!」


と言った。

すると、アリシアは顔を赤らめ、


「ハワード君を愛で過ぎて時間忘れちゃったんです!」

「ふざけんな!」




...




「っていうときの乱闘でこうなった。」

「えー...」


俺は正直引いた、こんないい歳したおっさんがか、弱い女の子と喧嘩して何やってるんだよと。ちなみにアリシアの性癖はなれた、しかしそこよりも気になるところがあった。


「いやっていうか説明下手ってすごい不安なんだけど!」

「いや!だがしかし!今回は秘策がある!今思いついたやつ!」


ニューフェイスが高らかに答えた、言うことは不安だが...


「今!?今思いついたやつ!?もっと怖いんだけど、ねぇ!」


ニューフェイスは俺の文言などすべて無視し話を続ける。


「その秘策とは!実践である!すべてのステータスを実践で計測する!」

「は!?」

「と言うことでアリシアに許可もらいに行く!」

「許可もらいに行くってどういうことなんだよ!お前ここの最高権威だろ!」

「許可もらってきた!なんか深き者ども500体とクトゥルフ200体とニャルラトホテプ100体とヨグソトース50体連れていくうえでネクロノミコン持っていったらいいって!」

「なんか冒涜的な要求しとる!」

「まぁなんだかんだで育児キャンプ、育キャンの用意できたから行こうか、ハワード」

「いやだー!」


俺はニューフェイスに引きずられていった...





















To Be Continued

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