嘘つきの人生
しいず。
第1話
どうも、作者というのか著者というのか良く分かってませんが「しいず。」と申します。
よろしくどうぞ。
異常でも何でもない普通の、少しだけ高学歴な夫婦が1人目の子供を授かりました。
生まれたのは男の子。
呼吸や体重に問題はなく健康な男の子だった。
それから1年後、男の子は保育園に通うことになった。
夫婦は共働きだったから
バリバリ働いて帰ってくるころにはヘトヘトで保育園へのお迎えも疲れながら向かう。
それがずっと続いていた。
たまに夫婦は喧嘩もした。
妻は物に当たる性格で皿を割ったり、物を夫に投げたりもした。
夫は論理的な人間で妻の言い分を聞こうとしては論破しようとしていた。
しかし、基本的には仲が良く最終的にはいつも仲直りをしていた。
ただその喧嘩の様を見ていた者がいたことは言うまでもない。
息子は両親の見たことないくらいに激怒した姿に驚き、両親を止めようとした。
簡単に言うと泣いたわけだ。
しかしそれは喧嘩している当人からしてみればよりうるさくなっただけでしかない。
より一層イライラして母親は食器を雑に扱い、父親からは丁寧な口調が消えた。
息子に対して怒鳴ったこともある。
それから3年後、息子は4歳になった。
基本的には仲が良くたまに狂ったかのように喧嘩をする両親を見て育った。
息子は親を見て育ったが親のように物に当たることはなく、口論で勝とうともしなかった。
なぜなら物に当たって喧嘩しようものなら母親に、論破しようとしたら父親に絶対に勝てないからだ。
それが無謀なことは4歳になるまでに痛感している。
幼い子供は体感したことを一番に学ぶものだ。
そこで息子は両親が喧嘩を始めると黙るようになった。
自分が止めに入っても無駄でむしろ火に油を注いでしまうのなら自然鎮火を待つしか出来なかった。
それよりも怒鳴られることが怖かった。
だから息子は泣かなくなっていた。
それが息子の一番最初の我慢だった。
嘘つきの人生 しいず。 @taiado01
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