エピローグ……もしも

 もしも、あの時こうしていたら?


 もしも、あの時こうなっていたら?


 人生において『もしも』と考えることは意外なほどに多い。


 たった15年の私の人生でも数えきれないほどの『もしも』がある。





 私は中学生活をずっと共にしてきた彼と別れた。


 私からフった。

 

 私はまだ彼のことが好きだった。


 今もまだ好きだ。


 おかしな話だ。




 


 彼と付き合っている時は彼に対してたくさんの『もしも』があった。





 でも不思議と今は、彼に対して『もしも』はない。






 だって彼は今、再び輝きをとりもどそうとしているのだから……。






 私と別れたからといって、彼が輝きを取り戻せる保証は無かった。


 もしかしたらもっと酷い結果になってたかも知れない。


 後のことは彼と共通の幼馴染のユッキーにお願いしていたけど、正直ドキドキものたっだ。




 彼の傷心っぷりに私は、心配になって彼の跡をつけたこともあった。




 でもある日、ついに彼がギターを担いで登校してきた。


 

 私は慌てて教室を飛び出した。



 だって、その瞬間に涙が溢れ出てくるのが分かったからだ。



 こんな顔みんなには見せられない。


 特に彼には見せるわけにはいかない。




 この涙は、彼をフった時の悲しい涙じゃない。


 



 嬉しい涙だ。





 彼に対して『もしも』がないと言ったのは嘘です。


 ひとつだけありました。



 もしも……もしもあなたが私を許してくれるのなら。



 もう一度だけ言わせて下さい。




「愛している」と。




 

 ————————


 【あとがき】


 本作の続きは

「幼馴染にフラれた僕が何故か学園のアイドルに告白されて平穏な日々を失った」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054894733613

 になります。


 主人公は鳴です。


 こちらも合わせてお読みいただけると幸いです。

 よろしくお願いいたします。




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幼馴染が学園のアイドルに告白されて付き合うようなことになっても私は後悔はしない 逢坂こひる @minaiosaka

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