でっかいお魚がたべたいの(後)

魚の身から真っ白い湯気が立ち上る。

いざ、


二人とも大きく口を開けてほおばった。しかし、二人とも別段、何か変わったわけじゃない。


いや、彼女の様子がおかしい。高熱が出ているのがわかる。


「どうしたんだよ。なんてお願いしたんだ。」

「あなたみたいになりたいって。人間になりたいって。」


彼女の体を抱きかかえて、俺は病院へと走った。


「大丈夫、一人で…。うつしちゃうから。」彼女は苦しそうに言った。


いや大丈夫、だって俺は君みたいになりたいって願ったんだから。

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魚が食べたいの タケノコ @nanntyatte

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