第3話 入部届けと二次元好き過ぎる友達

 白石さんとお近づきになった翌日。


 俺は結局、図書部に真吾はラノベ部に入部届けを出した。


 あれだけ人をやる気にさせておいて何故だと真吾に問いただすとラノベ同好会というのがあって部員に二次元ヒロイン愛好家がおり意気投合したそうだ。


 また、部員が今のところ2人しかおらず、真吾が入ると3人になるので部として成立するらしい。

 部として成立すれば、部費が出るし、ラノベも買えるし、しかも部員が同じ趣味を持つとなれば入りたくなるか。


 一応、勧誘と謝罪をされたので許す事にした。


 そしてその日の放課後・・・・・・

 真吾がいきなり絡んできた。


「颯太ーー本屋よって帰ろーー」

「ごめん今日は別に約束がある。ていうかラノベ部は?」

「それなんだが、あまり基本的に活動はせずに部費でラノベ買ったり、するだけみたいなんだよ。昨日はあんなに熱く語り合ったのに」


 まんまと部費を手に入れる為の人数合わせにされたようだ。

 少しかわいそうだが人を誘っておいて自分は別の部活に入ったのだから自業自得ではある。


「颯太ーー本屋よって帰ろーー」


 どうやら他に友達が出来なかったので一緒に帰る相手が欲しいらしい。

 女子からはモテるのに男子友達が出来ないのもそれはそれで辛そうだ。


「だから今日約束あるんだよ」

「どういうことだよ。お前は俺しか友達が居ないはず。そうかラノベ読み過ぎて現実に二次元ヒロインが見えるようになったのか?」

「いや、それはお前だけで十分だ」

「じゃあ、なんでた?分かった。実はお前、ラノベに金つぎ込み過ぎて金がねぇんだろ?一冊なら買ってやるから一緒に帰るぞ」

「いや、金はある」

「金もあるし、二次元が見えるようになった訳でも無い、まさか約束は本当なのか?いやいや颯太に限ってそんな事がある訳が・・・・・・」

「おい、心の声漏れてんぞ!」


ていうかこいつどんだけ俺のこと悲しいやつだと思ってんだよ。


「おーーけーー分かった。だから、俺ん家のヒロインポスター一枚で手を打とう」

「いらんわ!」

「ていうか俺が今度ラノベ買ってやるからその手を離してくれ」

「まじか、約束だぞ」


 一瞬、力が弱まった隙に距離を置く事に成功した。

 そろそろ白石さんを待たせたらいけないので行くことにした。


「って事でまた明日ーー」

「ちょっ、待て、帰ってこーーい、颯太ーー」


 チラリと時計を見るともう白石さんは来ているであろう時刻だった。


(長話したたせいでタイムロスしちまった。急がねぇと)


 こうして俺は白石さんとの待ち合わせ場所である図書室に向かうのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺の二次元スキルでヒロインをカンストしてみせる @jonnu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ