氷点下

バナナナチ

序章

──平和とはなんなのだろうか。


空気は熱を帯び、極地の氷は解け、貧しい国は塀も建てられず海に沈みかけ、雨は多くを溶かし侵し、大国は贅沢を貪り、弱者を誑(たぶら)かす。


────今日も世界は平和で充ちている。


いつの時代も人間という生き物は進化を追い求めて生きてきた。だがその背景にはいつもゴミが積もり、悪臭を匂わせている。


悪臭は見せかけの平和を盾に、そいつのおこぼれを喰らい膨張し続ける。

私はそれを消す消臭剤のようなものだ。


正義というのはどのような姿だったか。かっこいい存在で憧れるものではあるがその手を汚したりはしなかっただろう。だから私はいくら自分の正義を果たそうとしても、誰かの正義にはなりえない。これを『隣の芝は青い』と言うのだったか。

もう、引き金を重いとは感じなくなった。

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氷点下 バナナナチ @banananachitesukapore

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