レビューを書くとき押さえてほしいたった一つのポイント

 レビューを書くとき、個人的に押さえている──押さえたいと思っているあるいは押さえられていたらイイのになぁと窓から夜空を眺めながら思い馳せているポイントが二つありまして。オイ、タイトルには「たった一つ」って書いてるじゃねぇかタイトル詐欺かぁ? って思うかもしれないけどまあ聴いて(と云うか読んで)。あとオラオラ系のからみはおっかないから止めてクレメンス。


 結論から云うと、一つめ──第三者がそれを目にしたとき作品を「気になる!」と思うかどうか。二つめ──作者がそれを目にしたとき「このレビュアーは自分の作品をきちんと読んでくれたんだな」ってわかるかどうか。


 この二つのうちどっちがより大事かって訊かれたら、私の中では圧倒的後者なんだけど、一応順を追って説明しますね。

 まず一つめ──これは実際私の書いたレビュー読んでもらったらわかると思うんだけど、前フリクッソ長くない? 今回紹介するのはどんな作品かって本編に中々シフトしなくない? いっそ前フリが本編なのでは?

 たとえば名為しさんの『狂怪』はソクラテスの問答から、吾妻栄子さんの『婦婦ふうふの部屋』は自作のタグに関する話からスタートしてるし、Askewさんの『夢見るチェリーはフレッシュな本番の夢を見るか?』に関してはVRゲーム『サマーレッスン』の体験談とクロスモーダル現象について長々と話してる(ただ──正直Askewさんのレビューに関しては、作品の中身に触れなさ過ぎたかも。その辺りもうちょっとやりようはあったよなと反省しております)。

 この長ったらしい前フリについて、後々エッセイに放り込むからかさ増ししてるっていう意図もぶっちゃけなくはないんだけど、私としてはレビューとして書いてる以上、未だ見ぬ読者に「何だこの作品、気になる!」って思ってもらわないことには意味がないと思っていて。他のレビューとは何だか違う、変わったレビュアーだなってちょっとでも読んだ人に思ってもらえたら「勝ち」だと思ってるんだよ。


 他とは違うレビュアーが推してる作品は、きっと他とは違うだろうから。

 

 だから、レビューの構成は意図して変則的なものにしてる。Askewさんのエッセイ(https://kakuyomu.jp/works/1177354054893700544/episodes/1177354054895302478)でもあったけど、見た人にちょっとでも"違和感"を覚えてもらえるように。一応Twitterの宣伝ツイートでもその点を意識して──いなくはないんだけど、ゴメンあれは正直変則に特化してるきらいがある。どうせすぐ流れる情報だから、そこまで気合い入れて書いてない。その点はホント申し訳ないと思ってる。

 で、二つめがとにかく重要。タイトルに書いた「押さえてほしいたった一つのポイント」はこの二つめね? 先に説明した通り、私のレビューって確かに一風変わってるとは思うんだけど、書かれた犠牲者もとい作者さんに訊きたい(どうせこのエッセイ読んでる層って大概そうでしょうよ)。

 

 私の書いた(作品の中身に対する言及が明らかに少ない)レビューを読んで「あっ、コイツ自分の作品読んでねぇな」って思った?


 多分──いや、そうであってほしいと願うばかりなのだけれど、思ってる人まずいないと思うんだよね。そう、一つめのポイントは確かに第三者の関心を引く上で大事っちゃあ大事。ただ、そこに「あなたの作品確かに読みましたよ」ってレビュアーからのメッセージが、作品と作者へのリスペクトが暗に示されてなかったら大変言葉は悪ィけどそれ無意味だからな? どんだけ第三者を惹きつけて止まない魅力的な言葉に溢れていたとしても、その作品を書いた作者の気持ちを推しはかれていない時点でそれ何の価値もないからな?

 正直ね、レビュー書くのってメチャクチャ難しいと思うよ? 私だって「これ面白いけどレビュー書くのはしんどいなぁ」って星だけ振ってスルーすることあるもの。ただ、自分はまだまだレビューを書き慣れていないって確信があるんならさ、今回云ったポイント二つめ──作品と作者へのリスペクトにステ全振りしろ。

 書き慣れてねぇくせにウィットにボーナスポイント振ろうとするな。そっちは後回しでいいから。後々どうとでもなるから。で、読解できてる自信がないならそれはもう書くな。いや、別に真面目に書きたくて仕方がないんですと思って書く分にはまあいっかなって思うんだけど、読解できているフリだけはするな。とにかく無駄な背伸びはするな。そのレビューを送った先にはそれを目にする作者がいるぞ。以上。

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