第3話 転倒
転校生が来て、変わったことがある。
俺の平凡で平穏な日常生活の中で、最も嫌いな騒音。
「ねえねえ、なんで転校してきたの?」
「あ、えとそれは、」
「部活はどうするの?委員は?
もう決めてるの?」
隣の席の面世白おもせしろは転校してから大人気で、俺は他の男子や女子の邪魔者でしかない。
だけど、この人だかりは想定してなかった〜、人気だな〜
まぁ最初の登場があんな形では、そんなあだ名をつけられてもおかしくはないだろう。
本人は気にしているのかいないのか分からないが、おどおどして質問攻めにあっているようだ。
ありゃあ絶対、収拾がつかないな。
まぁ、俺には関係のないことか。
「あ、あの……!、あ!」
席から立ち上がろうとした
それを見た俺は、流石に見過ごせなかったのか、つい体が動く。
「あっぶね!」
地面につく前になんとか助けることができた。
「あの、大丈夫か?」
「えっと、本当に大丈夫?」
「だだだただだ、大丈夫です……」
なんで動揺?て、あ……。
「ご、ごめん!立てる?」
「あ、はい!すみません!」
面白はお礼を言いながら立ち上がる。
他の皆は、集まりすぎたこの状況を今頃知り「ごめんなさい」と謝っていた。
「もう昼休み終わるから
次、授業始まるよ?」
俺はその一言を
これでもう、関わることもないだろう。
傍から見ていたのに転けるときまで助けなかった俺なんか、むしろ嫌われたかもしれないな。
そんなことを思っていたのだが、その予想はまたもや外れる。
疑心暗鬼 歩く屍 @fb25hii
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