合コン?当日(一華の場合)〈4〉

 短いデートを終えて家に帰り、自分の部屋に入る。

 ベッドに腰掛け、胸元からネックレスを引っ張り出し、指先で転がす。


「ふふ」


 今までお父さんからたくさんプレゼントを貰ったけれど、これが一番嬉しかった。

 金額ではなく、これを選んでくれている時の渉くんの真剣な眼差しを、いつでも思い出すことが出来るから。


(学校でもつけられるかな)


 体育が無ければ、つけても周りには分からないだろう。

 うちの学校は校則でガチガチに縛るようなことはしていないけれど、周りから詮索されるのは嫌だった。


 手鏡を見ながら、自分でしてみる。

 キラキラと光った。


(まったく、一華。なんてだらしのない顔、してるのよ)


 帰り際、渉くんの緩んだ表情を指摘した身ではあるけれど、実際は顔の筋肉がゆるゆるな自覚はあった。


「ふう」


 椅子の背にもたれて、伸びをする。


「はは。

だめ……っ」


 笑うのを我慢できなかった。

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恋人同士になったと思ったらお互いの親が結婚 そんな一つ屋根の下の物語 魚谷 @URYO

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