6.

 


深夜一時、制服のスカートを折り曲げて、

マフラーを巻いてベランダに出る。

夜と罪悪感に浸った私を、

満月が見下ろしていた。


あと数時間したら夜が終わって、

大嫌いな朝が来る瞬間、

朝が焼けるのと同時に

都合良く忘れられることなんて、

きっと、何にもない。


だから私は忌ま忌ましい満月に、

悔しいけれど憧れて、

朝を知らないまま。



月と朝焼け 完


 

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月と朝焼け 文月 螢 @ruta_404

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