第1話

「やべぇ遅刻する!」


入学式開始まであと15分


開始の5分前には学校にいなければ行けないから実質あと10分以内に登校しなければいけない。


俺の家から高校まで歩いて10分かかる。

自転車はうちの家にはない


「くそっ呑気にテレビ見てるんじゃなかった

全部占いのせいだ」


文句を垂れ流しながら俺はこれから通うことになる高校までの道を走り抜けていく。


ワンチャン俺と同じく遅刻しそうな奴がいるかもしれんと思ったが、その期待は散っていった。


「誰もいねぇかぁ」


同類を見つけたら幾らか気分が楽かと思ったが流石に遅刻しそうな奴は俺以外にいなかった。


俺は走った。学校を目指してひたすらに走った。


俺が信号の手前に来れば、信号は俺が遅刻しそうなのを察したようにすぐに青信号に変わった。


学校が視界に入った。もうすぐ着く。


時間を確認すると、最初は学校まで10分ぐらいかかると思っていたが、信号で1度も突っかからず、全力疾走したおかげで6分で学校の目の前まで来ることが出来た。


「ラストスパートだぁ!!うぉぉおおおおお」


学校まで伸びる道を俺は全力で走る。周りなんか見えていない。


俺にみえているのは目の前にある学校だけだ。さらに勢いが増す。


『ガツン!!』


周りが見えていなかった俺は路地裏から来ていた人の存在に気づかず相手と衝突した。

相手の頭と俺の頭が凄まじい勢いでぶつかった。


ありえないぐらい痛い

鈍痛。意識が朦朧とする。普通、頭と頭をぶつけただけじゃこうはならない気がする。


意識がハッキリしない中、声が聞こえる。


「や、やばいよ!ど、どど、どうしよ、?!」


俺と同じ衝撃、痛みを受けたはずの《女の子》が元気にピンピンして、慌てふためいている姿が目に入る。


占いって当たるんだなぁ。

俺は意識を失った…








「え、気を失っちゃった。

よし!目の前に学校あるし、保健室に連れていこう!これで私は人助けをしていたということで入学式に遅刻しても仕方ないことになるね!うん!人助け大切!

そして、保健室で君に話さないとね、これからの君と私の関係を」














  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

曲がり角でぶつかった時から君のことが忘れられない。 いさぎ @wareisagi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ