第一部あとがきノート(ネタバレ有り)
気まぐれな執筆ノート@第一部です。
第一部のネタバレを少しだけ含みます。
元々は10年くらい前に、TRPG(GU○PS)に使えるようなハイファンタジー的な世界観をもにょもにょ考えながらノートに書いていたものを一つの物語にしてみたらどうなるかなと、とまとめてみたものです。
長いことPCのHDDの底に沈んでいたのですが、コロナウイルスのせいで外出もままならなず、ヒマつぶしにリビルドしてみるか、と。
そう思い立ったはいいものの、赤面したくなるほど見るに堪えない文章と、明らかに矛盾した設定や言動などが目について。気が付けばガッツリと時間をかけてしまっています。それでもたぶん直し切れていないです。
あげく10年前に自分が書いた文章を読んで、物語のあまりの陰鬱さに自分で気鬱とする始末。我ながら何をやってるやら。
物語としては
「銀髪&オッドアイのお姫様」
「元気な魔法使いの少女」
「黒い魔剣」
「北方の軍事大国」
といった、もはや記号的と言っても良いくらいの御約束を並べておいて、それらを少しずつずらしつつ、
「最初から完成されている主人公」と「妙にシビアなヒロイン」を軸に、
最初は各個人でRPGとかにありそうなパーティ進行をして、
最終的にはお互いの本来の政治・戦略的な立場に戻ってきて、
戦記、英雄譚としてまとめる。
そうだ、ヒロインを吟遊詩人にして、その人が歌っている物語ということにしよう。
と、この時点で「あ、これハッピーエンドにするの無理だ」と。
これ、男の過去に取り返しの付かないことがあったし、このヒロインじゃ絶対にくっつかないじゃんと。
でもこれは英雄譚なんだから、ただバッドエンドにするのは絶対に駄目。
最初は悲劇になったとしても、未来に希望を残す形に。
最後の最後にはきちんとハッピーエンドのカタルシスが得られるように。
とやってたら3部構成になって、あれよあれよと100万文字越えの長編に。
そうすると今度は都合20年におよぶ物語の舞台として、世界設定の説明が必要になって。
おかげで物語冒頭でやたらと説明台詞が多くなってしまったし、それもあって第一部が物語全体の前日譚的な性質にもなってしまった。
今回のリビルドでそのへん解消出来ないかと思ったのだけど、難しかった。
物書きへの道は遠い。。。
ともあれ、物語は愛と悲しみと、多くの謎を残して第二部へ。
キャラクターノート:
第二部に出番が残っているキャラクターも多いので触りまで。
・ディオール
「レベル99の勇者」「シリーズもののRPGの前作の主人公」
身長195cmもあって、ただ丸太持って振り回すだけでも強いのに、
高度な戦闘技術と格闘技術も組み合わせてるからそりゃ強いに決まってる。罠の名手だったりもする
最終的には「クールになりきれない男」のイメージが先行。
義理堅い、身内に甘い、微妙に空気が読めない、トラウマ。
・サティン
「親しみやすいように見えて、シビアな性格の美人」
「甘えない女」「甘やかさない女」
いかにもヒロインらしい足手まといになりつつ、シビアさに相応しい能力に。
よくある「ヒロインの愚鈍さにイライラする」シーンはないように。
明敏、社交的、節制、公正、詩的。
・ティフ&リア
ティフは「元気な魔法使いの少女」という記号的存在をあえてそのままに。
リアは「ティフの鏡映し」、廃人、実は歩く核兵器。悲劇への導き役その1。
そのまま【式使】の存在・設定についての説明役に据える。
【式使】兄妹編と本編との交差役、牽引役でもある。
・カーツォヴ
「やりたい放題やる悪友」【魔人】との接点。説明役。
ディオールの冒険者的側面の友人。対照的に豪快、サッパリとした性格。
乱暴者で暴れん坊だがサディストではない。人間台風。
兄妹編にも登場して、大暴れして貰う。
・テリウス
ディオールの最期が決まった時点で、その後継者として配置。
わずかな時間で全ての技術を習得するために、素質を詰め込まれた怪物。
血統の否定。
性格はまじめだがやや難あり。複雑な家庭環境。弱点、暴走。
・ヴェン
ディオールの目的を定めた時点で配置した「ゴール」
露骨過ぎるほど伏線をはっておいて、そのゴールが目の前にあったのに気がつけない、気がつかせない。
まじめ、誠実、長男。成熟しているようにみえて内面は未熟。
最期に破綻することで物語を終演に導く。
・イエム
「ヒロインその2」「サティンとは正反対」【蛮族】との接点。説明役その2。
世話焼き、甘やかす、豪快、残忍、無教養。
ヴェンと一緒に配置した時点で悲劇になることが決まってしまった哀しい人。
・イザーク
「主人公陣営の有能な軍事司令官」「主人公と双壁を張れる人物」
ディオールの軍人的側面の友人。兄貴分。
頭が良いせいであれこれ考えるが、切り替えも早い。高級軍人らしい判断力。
ロリコンではない。
・リィン
「ヒロインの親族」「ヒロインの目的」目的のほうから近づいてくる。
強い。怖い。イザークの妻というより「女房」。
サティンを戦士として育てなおしたらこうなるだろうなと。
正反対に見えて、実は割と似たもの姉妹。
ファザコンの気あり。
・ヴィダルモール
「ヒロインの父」「北方の軍事大国の圧制者」
その悪行・悪名でヒロイン達の敵を作り出す役割。
暴君ではなく、有能ゆえの影響。良くも悪くも手段を選ばない。業の深い親子
さんざん脅かしておいて、実はかなりの親バカ。
一応、略称は「モール」なのだが誰もそう呼ばない。
・【竜主】【月の権使】サリア
・【陽の権】レーバゼイン
・【星の権】
・【名無し】の女
物語の裏で何か大きな力が動いていることを示唆するために配置した超越者達。
「お前らが自分でやればすぐ終わったじゃん」にならないように、
それぞれ信条や立場、限界を持たせる(第一部時点ではあまり語られない)
・狂った【魔人】、3人の傭兵、トラントの宰相、タネル&グヴァイン+デランタ、 スーレイルの【式使】達、etcのやられ役達。
露骨なほど駄目な連中として描く。
あえて「敵は全員クソ、味方は裏表あるにしても誠実で有能」の対比。
・そのほか物品、どうでもいい裏ネタなど。
・【ミエグ・クルタ・ジーン・ユン】
「命を破壊する黒い魔剣」という、記号的とかそういうレベルでは
無いほどベッタベタな設定。
【魔人】を倒すのに使うが、本来の愛剣ではなく、パワーファイター型の
ディオールの戦闘力をむしろ押し下げている。
女性的
・【ジルワ・ノエル・クリク・ファーン】
本来のディオールの愛剣。相方よりも少し長い。
特殊な能力は無いが、武器としての性能はこちらのほうが圧倒的に上。
男性的
・サティンが持っていた親書のうち、ビード宛がまずい代物だったのは、
ヴィダルモールの悪戯(お灸)によるもの。
サティンが出奔しようとしているのは当然バレていた。
元々の旅程では、ビードへ辿り着く前に戦争状態になる予定で、
最初からレイシュには「ビードへは行かなくていい」と指示が出ていた。
・イエムの氏族は本編で蹂躙された北方ではなく、真王国の南西側の【蛮族】。
イエムに指導者層を皆殺しにされたため、本編時点で既に周辺の別氏族に
吸収されてしまっている。
その後【巫女】は発生しなくなったようだ。
・サティン&リィンの両親は恋愛結婚かつ貴賤結婚。
母親はスィンセリア・ハルシス。通称スィン。
元はフレイズ軍の小隊長で、「前線に飛び出してきた迷惑な貴族のボンボン」を
首が後ろに回るほどぶん殴ったのが馴れ初めというかなりの粗忽者。
・ヴィダルモールは本編登場時点でかなり体を悪くしている。
サティンの旅立ちから帰還までの半年間に少し痩せたりもしているのだが、
人物観察マニアのサティンがそれに気が付いてない程度に関係が希薄。
・フレイズ藩主位の継承権が破棄されたのはリィンとシュリクなので、
実はシュリクの弟妹や子孫には継承権が発生する。
それほどに真王国の血統主義は根が深いのである。
・300年前に発生した【大天変】で世界中が大混乱に陥り、真王建国にも大き な影響を与えた。
ティフがフレイズの書庫で読んだ「【竜主】サリアがやらかしたせい」という
のは、実は本当の話。地球が割れるレベルで南東方向にぶっ放したため、
地球の自転軸が歪んで大変な事になった。
・章立ての都合で、ディオールはサティンと別れてすぐ死んだように見えるが、
実際には2ヶ月ほど経過している。
第一部の物語全体でおおよそ11ヶ月。
大空の詩 瓜庵 @hrp111333
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