井の中の蛙地を駆ける

金糸 卵

第1井の中の蛙井を追い出される

創成歴1万7045年1月1日天狗ノ里ニテ天狗ノ子産マレル

 父:羽矢助 母:恋歌 兄:玉ノ手

        性:大飛 名:蛙子

        おおとび   わこ  

 それから14年と3か月15日、ドカドカドカドカ!五月蠅い!朝早くから聞こえるこの足音は、蛙子に違いない!

「魚釣りに行ってくる!」

というや否や玄関を開け放つ、そして元気な蛙子とわ対照的にしかめっ面の大男が、玄関から後を追うように出てくる、彼は、260代目山猫天狗、大飛玉ノ手だ。

「蛙子、今日は父上の命日だからあまり遠くへ行くなよ、

それとうんとでかい魚を釣ってこい!」

「わかったよ玉兄ーーー・・・・・

 ここは、天狗の里代々特殊な力を持つ大飛家が、この地を治めてきた、今は、おじいちゃんと玉兄でこの地を治めている、お父さんは数年前にはやり病で死んだあっけなかった、天狗もこんなにあっさり死ぬものなのかと思った。

外界からの繋がりは、ほとんどなくたまに来る旅の商人くらいのものだ、

こんな無駄話をしている間に目的の池についた、今日は、お父さんの命日うんと

大きな魚を釣らなくてわならない。

 日が高くなりそろそろ昼ごはんと墓参りのための準備をしなければならない、

最後の一振りとしよう、きょうは不漁だ、そう思った瞬間強い力で竿を引っ張られる、今までで一番の大きさに違いないない。

「おらっ!」

釣れたのはなんと前身は濃い赤色帯のような綺麗な鰭をもちゆうに7尺はあろうかという怪魚であった。これをもっていけばほめくれるに違いない!

 なかなか自分よりも大きな魚を持つのは大変だ、あれは、おじいちゃんに違いない!

「おじぃーーーーーちゃーーーーーーーーーん」

「んのぉこの声は蛙子か?かわいい孫よ今行くぞー」

「見ておじいちゃん、すごいd

「蛙子!これはお前が釣ったのか!」

ものすごい剣幕だった、さっきまでは、あんなにニコニコしていたのに。

「ぅん…そうだよ?」

「そうかちょっとこっちに来なさい話がある。」

そういうとわけのわからぬまま台所に連れていかれた、そこには、お母さんがいた

「この子が鬼睨みに魅入られた、今日のうちに里から出そうと思う。」

「っん?????おじいちゃんなんで?」

いつもは、凛と美しいお母さんが、放心状態で膝をついていた。

「いいか蛙子お前が釣ってきたあの魚は、鬼睨みといってあれに魅入られると豪鬼に追われるんじゃ逃げ切ることはできん。」

それからは、早かった旅の支度とお弁当わずかなお金それと小箱を渡された。

別れの言葉も言えぬまに里を追い出された、これからどうしよう。

まずは山を下ろう。

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井の中の蛙地を駆ける 金糸 卵 @sazancoross

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