第1章:出会い
第1話:いきなり魔王軍幹部の襲来
しばらくして喋り声が聞こえたので、目を開けてみると、俺は街中にいた。
「うわぁ!すげえ!本当に異世界だー!」
あまりにテンションが上がってしまったので叫んでしまい、周りの人の視線が俺に注がれる。
「ママーあの人何してるの?」
「シーッ!見ちゃダメ!聞こえちゃうでしょ!」
いや、別に頭はおかしくないですよ、俺。
「えーっとこの街は…?
あった!同じ風景だな。ラルムの街と言うのか。なになに…?駆け出し冒険者が多いギルドがあるのか。よし!そこに行ってまずギルドに登録だ。多分あっちの方だよな。」
俺がギルドに向かっていると、何故かキャーと言いながら逃げていく大勢とすれ違った。
「何かあったのか?どれ。勇者様が見に行くか!」
俺が見に行くと、そこには何か禍々しい
気配をまとった騎士と睨み合っているギルドの武装集団がいた。
「は?あれって多分魔王の幹部だよな。
俺のゲーマーの勘が反応している。なんでこんな所にいんだよ!!」
「俺は魔王軍幹部騎士団長、ゾルドだ!」
「おい!なんでこんな街に魔王軍の団長が居るんだよ!何が目的だ!」
こん棒を構えた冒険者がそう聞くと、
「お前らのせいで俺が安眠できねぇんだよ!誰だよ毎日毎日俺の洞窟で魔法の練習してる奴!!」
「え?こんなイベント本に載ってないぞ…どういうことだ?」
俺が思案していると、武装集団の中から1人の
少女が出てきた。
「私だ!私が毎日洞窟に行って破壊魔法の練習をしていた。」
そう言うと、ゾルドに歩み寄って行く。
「名前は何だ!お前の名前は!」
ゾルドがそう聞くと、少女は
「我が名はフォイネ。魔将族の魔法使いだ!」
「魔将族ってなんか強そうだな。ん?でもこの種族も載ってないぞ。なんでだ?」
「魔将族か。なるほど…それであんなに
洞窟をバカスカ壊したのか!!」
洞窟をバカスカって…魔王軍の騎士団長も
そりゃ怒るわな。
「今俺はイライラしてるんだ。どうだ。
1戦交える気はないk((」
「破壊閃光・骸!!」
えー!?不意打ち!?ヤダこの子怖い!
「グガァァァァ!!貴様ァ不意打ちとは卑怯な。まあこんな程度では死なぬがなァ!!」
「ホーリードライブ!!」
うそーん!?不意打ちの後になんか後ろから魔法が飛んできたんだけど…この子ヤバいわ。鬼畜だ。
「ガァァァァァ!!覚えて居ろよ…!
次会う時には絶対に、絶対にィィィ!!!」
魔王軍の騎士団長が一瞬でノックアウトしたんだが…あの子。強すぎねぇか!?
「大丈夫?フォイネ!」
「ああ…感謝するトルナ!」
この2人友達か?って事はこの子も魔将族なのか!?
「みなさーん!もう大丈夫ですよー!」
「魔王軍の幹部は倒しましたんでー!」
2人がそう言うと、皆が口々に
「おお…!ありがとな!あんたら!」
「よーし!今日は飲むぞー!」
「さすが魔将族だ!!」
と感謝を述べていた。
「フッ!我々はこれで帰らさせてもらう。なあに、礼には及ばないよ。」
「あ、ちょっとフォイネ…」
「ではさらば!」
「なんだったんだあの二人…まあいいや…とりあえずギルドに行って登録しよ!」
そう言うと俺はギルドに向かった。
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ゾルドを倒した後
「ねえフォイネ。また見栄張ったね!」
「ちょっと…怒らないでよ…だって、ちやほやされたかったんだもん。」
「でも食べ物もないのにどうするの!」
「どうしよう…お腹すいたな…トルナ!
何とかならない?!」
「もう付き合ってられない!私もう里に帰るからね!フォイネ、1人で何とかしてよ!」
「ちょっ、ちょっと待ってよ!」
「もう限界なんだよ!じゃあね!」
「ちょっと!」
でもトルナは振り返ってくれなかった。
「はぁ…どうしよう。何も出来ないし、ここで寝よう…」
こうしてぼっちになってしまったフォイネ
は野宿をして一夜を過ごすのだった。
異世界RPG~攻略本で魔王も楽々討伐!?~ 卯月 為夜 @urunero321
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