筆者である服部さんにも以前零したのだけれど、私は当初小湊合歓という女性があまり好きではないというか、お近づきにはなりたくない部類の人だなという心象を抱いていた。同性でも公共の場で慎みなく下ネタをバシバシ言う人が苦手だからである。
しかし彼女は話中で研修を受け、更に清楚系お色気お兄さん(言い方)如月静留氏とお付き合いを始めたことにより、多少の妄想はすれども、そういった言動には出ないよう努めていく。
「静留くんのことが好きだから」。「大事にしたい」。
そういう気持ちも彼女の中には確かに強くある。
が、それはそれとして、非は非であるとちゃんと認め、改めていこうとする姿勢。長年そうしてきてしまった癖を急に直すというのは、本当に大変なことである。元々の素直でさっぱりとした性格もあるのだろうが、これは彼女の成長の物語でもあるのではないか、と私は思う。
小湊合歓は、努力の女である。ちょっとすけべだけど。
真っ直ぐで、程良いあたたかさとやわらかさを持つ光の女である。ちょっとすけべだけど。
だからこそ、彼も彼女と共にいたいと思うのだろう。
荒波に見舞われつつも、ゆっくりではあるが確実に歩幅が合っていく、そんな二人の姿を見守る、
まぁそのなんだ、「幸せにな~れ!」って話だ!
ヒロインって、何だろう。
女性の主人公格のことなのか。それとも、主人公に救われたり守られたりする、その物語の「宝物」のことなのだろうか。
色々な解釈があって、どれが正しく、間違いなわけでもないだろう。
その中で、この物語を読んだ時、貴方は誰を「ヒロイン」だったと思うだろう?
女性ながら、堂々としていて鋼メンタル、セックスアピール(性的魅力)を人生の武器としていない小湊合歓。つい、合歓姐さんと呼んでしまう気風の良さの持ち主。
男性ながら、線が細くて繊細、自罰的・自己犠牲的で過去に大きな傷を抱える如月静留。加虐欲と庇護欲を同時に掻き立てるような美青年。
それぞれ、別のジャンル・別の話でならば「ヒロイン」として誰かに「愛される」かもしれない二人が、お互いをどう「愛する」か模索しながら距離を詰める……
コ メ デ ィ です(※超重要)
どちらも可愛いんですけどね…! 私とても合歓姐さんが大好きでしてね…!! こんなヒロイン(?)を待っていたっ…!!
コメディですが、あえて逆にしてある恋愛のジェンダーロールや職場のセクハラ問題など、考えさせられる要素も沢山あります。もちろん最後はハッピーエンド。
オススメです!!!