二〇二〇年。世界的な伝染病対策で、人々の動きは極端に小さくなった。それによって、地球の鼓動がよく聞こえるようになったそうだ。――この惑星の吐息。本作は、それを感じる心の豊かさを教えてくれた。「誰もでも感じることができるのに、忘れていたもの」確かにそうなんじゃないかと思う。人間がこの惑星で生きるために必要なもの。自分もゆっくりと息継ぎしながら、窓から夜空を見上げてみたい。そんなことを考えさせてくれる作品だった。