自主企画【筆致は物語を超えるか【葉桜の君に】】参加作品

どんなオチを用意するかは物語を書いていくなかで大切な要素だと思います。
順当に流れる美しさを演出するもよし、急転直下の落差を楽しませるも良し。
すべてを台無しにするほどのひどいオチもまた物語としてはあるでしょうか。

大きな枠が設けられている状態で小説を書いていく自主企画のなかで、ここまでオチに落差を付けるというのはなかなか思いつくものではないと思います。それをやりきって、かつ、無理やりやっつけた！　という感がなくしっかり読める作品となっているのは作者様の腕前がお見事、というほかありませんでした。

読み終えるだけで、ごく自然に「なんじゃこりゃああああ」と叫べるお話です。
最近ストレス溜まってんなあと思ったら、とりあえず通読して叫んでみましょう。
ちくしょーやられたぜ、とか、おいおいそりゃねーよ、とかあなたなりの叫び声のバリエーションを考えてみるのもまた一興ですね。

とりあえず前半の描写の美しさを堪能すればするほど、叫び声のバリエーションが増えます。

是非ゆっくりじっくりと読み込んで最後にあなたなりの心のシャウトを編み出してみてください。

　こちらは、生徒の悩みに先生が答えるという共通プロットから書かれたお話しなんですが……ええ。いいたくなります。いいたくなりますよ。『騙された』と。でもね。ジャンルがジャンルなんですよ（ご自分の目でお確かめください）あと、タグにもね、ちゃんと書かれています。

　しかしそれでもいいたくなるこの騙された感（笑）いやぁ、おもしろい。この落差、わたしは好きです。

ラストに「そうだったんだ！」と思う物語があります。
筆致企画用に同じプロットから書かれたこの作品にも、やはりフラグというものは立てられている訳です。しかし、このラストは諸刃の剣。
絶賛もあれば、放り投げる読者様もいるかもしれません。
前半の公園や桜の描写が秀逸なだけに、オチにここまで落差がある作品はなかなかお目にかかれるものではありません。
作者様の勇気を称えたい（笑

　このお話は、同じプロットでいろんな作者さんが物語を書くという自主企画のお話なのですが。十人十色と言いますか、本当にいろんな、素敵なお話があるのですよ。
　さて、本作は「自主企画のあらすじ」と完璧に合致しているのにも関わらず、結末が他のお話とは一線を画している、というかもはや別世界。
　是非ともあなたも、体験してみて下さい！