タイトル等から感じる印象と、読後の感想は大きく異なる事でしょう。ただでは終わらせない、そんな渋い技工が光る作品です。これ以上は言えないので、後は自身で読んで体感してみて下さい。
あと一年持つかどうかわからない彼との約束。「来年開催するオリンピックを一緒に観よう」果たして……ネタバレ注意な短編。オリンピックの使い方が上手いです。切なくて純粋で、そして「あっ!」と驚く展開。読後感最高です。
短編のため、多くを詳しく語ることはできないのですが……本作を読むと、「物語を導くのは作者である」ということを、改めて強く感じさせられます。自分の求める物語を、自在に描き出せる喜び。やはり物語を紡ぐって素晴らしい。そんなことを素直に感じさせてくれる、味わい深い短編でした。
ハッピーエンドだなんて、口が裂けても言えな……もがもがっ。