小説に対する好戦的な短編。読者を2択に分けて君はどちらなのかと問いかける。小説を読んで初めて心を動かされた時のことを思い出した。年を重ねればまた違った見方ができるだろう。非常に味わい深い優れた作品と感じた。すんません、自分はブタです。
「お前はブタか? 芸術家か?」二元論的な問いから、無数の答えが見えてきます。作家論、芸術論が深く関わる作品では暴走しがちな著者のエゴ(作品を作る上でエゴってすごく大事だと思う)が独善的ではなく、主人公や友人の睦美が違う答えを導き出したように、それぞれの読み手にそれぞれの答えを導き出すキッカケを与えてくれるかもしれません。作者様の丁寧な作風、けれどもコメディ的な要素を忘れない遊び心の成せる業でしょうか。
衝撃作です。でもそれだけではなく、暴力的な言葉の中には「書く」ことに対する愛が溢れている。万人受けする娯楽作品が「消費」されては消えていく現代だからこそ、否定を恐れず作品の刺さる「深さ」で勝負する。作者様の信念をちらりと覗かせて頂いたような気がしました。ぜひ一読を。
この作品は、素晴らしいもの。読み手に変化を与える作品。間違いない。これは、作者の考えなのか。作者の考えなのだとしたら、とてもいいモノを持っていると感じる。もし、これが作品の、キャラクターとしての考えなのだとしたら。私は、あなたが書き続けることを、強く望む。素晴らしい作品をありがとう。