第26話 権八回想録 壱
昼間、人々を明るく照らし続けていた太陽が地平線の向こう側へと
『武装した集団』とは言っても、武士が戦で着るような
その様子は、
そんな彼らの先頭に立って目的地を目指す
(どうして俺は今、こんなことをしているのだろうか)
そんな
ー3年前・春ー
「さあお前達! 今日からウチの店で用心棒として働くことになった権八だよ。これから仲良くね!」
当時は八兵衛の店も始まったばかりで規模が小さく、用心棒も権八以外には3名ほどしか
「へえ〜、こいつが八兵衛の言っていた新入りですかい。なんていうか
八兵衛に紹介されて頭を下げた権八に、その3名の中から女遊びをよくしそうな
その時の権八は『
そんな権八の気をよそに、八兵衛は
「
「へいへい、
どこか
その後ろを付いていきながら権八は『これから俺は、そこでこの男にいびられでもするのではないか』と警戒して、軽く
だがその予想とは
そんな吉之介を
八兵衛の
まずは自分の
そこそこ
吉之介以外の用心棒仲間も、武術家の
そして吉之介。いつも
その時の吉之介は、
ある日のこと、たまたま
10mほどの間を空けて、それぞれ己の武器を
先に動いたのは、権八だった。
「セヤァッ!」
吉之介は権八の
これによって権八の
だが権八もここでやられるわけがなく、一歩後ろに
2人が打ち合いを始めてから10
大きく跳び上がって振り下ろす権八の2本の
権八も必死の思いでそれを防ごうとしたが間に合わず、手に持っていた短刀を全て
「勝負ありですぜ、権八」
口元に
「………次は負けないからな」
その言葉を聞いてさらに
それを
そんな風にしばらくの間、2人は黙って川を見続けていたが、ふと
「権八、この場所にはもう慣れましたかい?」
吉之介の言葉に反応した権八は、一度声がした方に顔を向けて、その後再び川に視線を移しながら答えた。
「何とか。ここに来る前まで落ち着かない日々を送っていたものだったから、ようやく
「へえ、そいつは良かったことでさあ。それなら、これからはもっと本格的に、仕事に取り組んでいってもらいうとしますかね」
「えっ……? あれでまだ
まるで
「もちろんでさあ。あまり俺達の仕事を
その様子を見た吉之介は、顔に苦笑いを浮かべながら、まだまだこれからの後輩を
「へへっ、中々いい感じの反応をしてくれますね。大丈夫でさあ。慣れていけば案外、そう大したことでもないと感じるはずですぜ」
そう言って吉之介も権八にならうように
権八は、
異聞応仁録 絆ノ詩《キズナノウタ》 〜その日、傭兵は1人の"鬼"と共に歩むことにした〜 流れゆくモノ @Nagare_yukumono
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