登場人物という名の道化

アスカ ~明日に咲く花は、今日も太陽を見上げる~

本作ヒロイン。黒髪のポニーテールに柘榴石ガーネット色の瞳。外見年齢17歳。


〈チアキ〉が持つ深層心理の一つ、生存本能を核にした〈エマヌエルの天使の悪魔〉たる少女。


〈チアキ〉の初期設定では「大人しくて清楚可憐で優しい少女」という設定のはずだが、なぜか短絡的で単純で男前。思ったことはすぐ口に出すきらいがあり、それゆえにトラブルを起こしやすい。好きな物は好きと言い、嫌いなものは嫌いと素直に言うべきだと思っている。


極度のニンジン嫌い。

(参照EP:https://kakuyomu.jp/works/1177354054895387106/episodes/1177354054895388765


〈チアキ〉の仕掛け(クレイドル・システムに参加した人々と〈オルフィレウスの泉〉の繋がりが断たれたこと)を引き金に、精神世界内に現れた。


〈エマヌエルの天使と悪魔〉の自覚があり、生まれたときから自らがどのような存在で、何をすべきかを理解し、チアキとの接触を図る。ハイネとは直接的な面識はないが、会った瞬間、自分の対極の位置にいる存在であることに気付いた。


真っ直ぐで曲がったことが大嫌いな直情型。

人並みの優しさと思いやりを持ち合わせ、相手の言い分も基本的には聞く。ただし、〈エマヌエルの天使と悪魔〉として対極の思想を持つハイネの言うことはその限りではない。


〈チアキ〉が持つ希望のようなものを核にした存在とはいえ、割と極端な性格。

真実と本物を好み、嘘と偽物を嫌悪しているが、嫌悪というより「嘘や偽りは虚しくて悲しい」と思っている模様。そして真実、嫌悪しているのは、嘘や偽物ではなく、恐らくハイネの性格。


生みの親の深層心理を引き継いでいるため、〈チアキ〉と多少なりとも似ているはずだが、ハイネから「〈チアキ〉と全然似ていない」言われている。

他、本来なら〈エマヌエルの天使と悪魔〉であるために「チアキを好き」という風に設定されているはずだが、なぜかチアキを毛嫌いしている。それゆえに、チアキからも嫌われ、正論を言ってもチアキから反感を食らう。


①〈エマヌエルの天使と悪魔〉は〈法石〉そのもののような存在であるはずなのに、〈法石〉を使わないと魔法が使えない。


②チアキのことが嫌い


という上記の理由から、アスカは自らが精神世界内に登場する寸前で、現実世界の何者か(後述するエミリア)によって基礎設定が書き換えられたのでは、と自分自身を疑っている(ハイネも同様に疑っている)


が、終盤でサヤこそ、真の〈エマヌエルの天使と悪魔〉であることを知り、自らが〈チアキ〉によって作られた仮想的な人格ではなく、自分が全く別の誰か(後述するエミリア)によって作られた仮想的な人格であることに気づく。


と見せかけて、実は〈チアキ〉が用意した仮想的な人格ではなく、


現実にいるアスカ自身は魔法が使えないので、エミリアの魔法を使って〈チアキ〉の精神世界クレイドル・システムに干渉している。

性格含めて〈チアキ〉が設定した人格でなかったり、チアキが嫌いだったり、〈法石〉を使用しないと魔法が使えないのも、もとより〈チアキ〉が組み込んだ〈エマヌエルの天使と悪魔〉ではないから。

ただし、チアキを〈創造の大樹〉の終層に導くために、本物の〈エマヌエルの天使と悪魔〉であるサヤの持つ、人格以外の基礎設定(〈玉座〉への行き方など)は引き継いでいる。

そのため、アスカ自身は〈エマヌエルの天使と悪魔〉として生み出された存在だと思っていたために、クレイドル・システムの終了とともに自分は消えるものだと思っていた(=自分が後から精神世界にやってきたことは覚えていない)


※1) アスカという少女が偽物を嫌いながら、自らが偽物の〈エマヌエルの天使と悪魔〉であるという皮肉を含む。


【作者ざっくり所感①】


アスカの正体が仮装人格ではなく、現実世界に存在する人間であるというのは、本作における仕掛けの一つ。

こちらもクレイドル・システム終了後、〈チアキ〉と再会するというオチを読者に気づかれないようにするには、徹底した対処が必要。

アスカ自身がクレイドル・システムが終わったら自分も消滅すると思い込ませることで、そのオチから読者の視線を逸らすことは可能なのか否か試してみたいところ(でもこのプロット読んだ人はもうオチ知ってる)

ただ、当然このオチは定番&王道のため、先の展開として読まれやすい(……うーん、でもレイ・リコードで「まさかのここでひっくり返してきた」的なこと言われたから、頑張れば(?)いけるかなぁ。うーん、うーん)



■ 現実世界のアスカ


本名、アンジェラ・セス。実年齢20歳。


人類の現状を正しく認識しているために精神世界のアスカほど極端な性格をしていない。

ハイネ(正しくは〈チアキ〉)の持つ破滅願望に対しても少しは理解を示している模様。

当初は、クレイドル・システムのことが気に入らないという理由で参加しなかった。


仕事で忙しいエミリアの代わりにエミリアの娘の面倒を見ている。

そんな折に、エミリアからクレイドル・システムの審判の概要を聞き、〈チアキ〉のやろうとしていることを「横暴で尊大でおこがましい」と腹を立て、我が身を振り返らずにクレイドル・システムに参加。精神世界のチアキを毛嫌いする理由は、この辺りに起因。

エミリアからは「チアキを好き」の設定をセラから引き継いで欲しいと言われるが「絶対に嫌」と突っぱね「チアキを好きになるぐらいなら、クレイドル・システムに行かない」と駄々をこねてエミリアを困らせた。

現実世界のアスカが、精神世界に行った最大の理由でありきっかけは、単純に〈チアキ〉が気に入らなかっただけ。人類を目覚めさせるという大それた目的があったわけではない(もちろん、嘘は好きではないし、希望も捨てるべきではないと思っているが)


クレイドル・システム終了後、アスカの記憶を引き継ぎ〈チアキ〉と再会した。


※2) 本来、引き継げないはずの精神世界の記憶をアスカが引き継げたのは、彼女を精神世界に送り出したエミリアが魔法の使用者だから(=〈チアキ〉の精神世界の記憶を引き継がないという設定の影響を受けない)


現実世界では初対面である〈チアキ〉に「あなたのことが大嫌いだ。だからあなたが私を好きになりなさい」と告白した。

(参照EP:https://kakuyomu.jp/works/1177354054895387106/episodes/1177354054895389019


【作者ざっくり所感②】


当初の予定ではツンデレ路線で作ったキャラのつもりが、なぜか最後まで「チアキを嫌い」と言いまくるツンな少女になったヒロイン。

彼女がチアキを嫌うのは、性格ではなく本質の部分(優柔不断さ、おこがましさ)であり、性格的には完全におり合わないというわけではないらしい。そのため、チアキの持つ優しさや、なんだかんだ言いながらハイネの面倒を見るところは評価している。

チアキとハイネに対して噛みつきやすく、よく突っかかるため「主人公はヒロインに好かれて欲しい」or「主人公とヒロインは仲良くして欲しい」と願う読者からは抵抗を抱かれる可能性あり。性格の修正を要検討。

また、正義感あふれる直情型ゆえに、その手のタイプが苦手・嫌いである読者からも敬遠されそう。作者としては、主人公と因縁のライバルとの決闘とか熱血爽やか青春に憧れて妙な方向に性格を面白くさせてみたい。そして、頭の賢い(?)冷静系主人公を推すハイネと性癖バトルさせて面白おかしく火花散らしてればいい。いいぞ、もっとわちゃわちゃしろ(おい作者)

要するに、敵と味方を同時に作る人物その一であり、下手をすれば読者から嫌われかねないキャラ。この辺りは匙加減が必要。要取扱い注意人物その一。


終盤、精神世界でチアキと別れる時に「あなたが大嫌いだ」と笑顔で言う。

作者としては、恐らくあれが最初で最後の彼女渾身のデレ(力説)

……と言ったら、知り合い複数名に「それデレじゃない」と即座に返り討ちにあいました(いやわかるけどw)

でもそこは嘘を嫌う彼女が最初で最後に吐いた嘘として、何かを遺憾なく発揮いただきたい。


話と立場の特性上、ハイネとサヤが「チアキ大好き」なため、それに真っ向から対立する立ち位置にいる。ごめん、ヒロイン。男性読者から嫌われたらそれは作者のせいだ。


【語源由来】


「明日に咲く花」を縮めて「明日花」。

アンジェラ(Angela)⇒ギリシア語で「神の使い」。その英語形=“天使”に由来。 

セス(Seth)⇒ ヘブライ語より「任命された」。あるいはサンスクリット語より「白」。

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