第42話帰国
『とりあえず生かしておかないと、ここからはノエル様の国に帰れないよな』
ノエルの覚醒した光にあてられてすっかり九尾は弱ってしまっていた。
ノエルの覚醒した力は仲間には体や心を癒す光。
敵には力を弱めて澱んだ気を浄化する光。
『私達をノエルの国まで帰してもらえないですか?』
私は九尾の横に座って聞いた。
『お前達、すまなかったな…。
諦めかけとった時に柊が生まれエリが生まれた。お前達が切っ掛けになることはすでにわかっておったのじゃ。ただ、予定と少し違う形になってしまって申し訳ないな…。
でもおかげで子供達を見つける事が出来たぞ。ありがとう…。ノエルの国ではなくそれぞれの国にきちんと帰してやろう。
エリはちゃんと親孝行するんじゃぞ。
ノエルもだ。良い女王になれる。
柊とウルフ、いなりは自分の望む世界に行くと良い。そのくらいの力はまだ残っておるのでな』
そうは言うけれどだいぶ弱ってきているのがわかる。
それにいきなりここで皆とお別れ?
淋しすぎるけど、私もお母さんとお父さんに会いたい…。
『俺の望む世界…?』
どんな世界かなんて自分でも分からない。
普通の幸せな家でいいかな…。
普通に両親がいて兄弟がいて。
『皆と別れるのは凄く悲しいわ。でも帰る場所があるのは幸せなことよ』
ノエルは泣くのを我慢して笑顔を見せた。
『じゃあ、いいか?きっと自分の国に帰ったら今回の事は忘れておるだろう。本当にすまなかったな。妾も会えて良かった。柊、いなり、ウルフ、エリ、ノエル…皆、良い名じゃ…。さよなら…愛しい我が子達…』
来た時と同じく周りが真っ暗になり上も下も分からない…
皆の事を忘れる何て嫌だな…
最後に微かに聞こえてきた言葉…
愛しい子供達…
皆、今の時代では新しい家族と幸せになるからね。
もう、大丈夫よ
探し続けてくれてありがとう
異世界に飛ばされて敵と戦ったら正体は意外な人でした 咲良 真 @makoto-sakura
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