水盃
あん
水盃
幼少期より共に城下の野山を駆け回った。
ある春の日には庭先の桜の樹の下に座り込んで
桜吹雪の中で
「
幼い手で小さな
「
その水には頭上から降ってきたものか、桜の花が浮いていて
飲み干すのを
「今日は姫様、気分が優れませぬか。沈んで見えます」
「
これが最後、
姫の言葉に
「その・・。誠に・・・
自分がこの姫を好いている事を
それから5年の月日が流れていた。
姫が
初陣として援軍に加わっていた
していることを悟ると、
幼い
死を覚悟した一人を討ち取るのに
しかし、「ああ、お城が・・・」
そこで
亀岡城の姿だった。彼を襲った一瞬の絶望、その時
突き出された槍が
契りを交わした姫のためにと死兵となりて奮戦した
無念の気持ちに包まれ、血に染まった手で顔を
泣く
「
「ああ、そうか・・・そういうことであったか」
あの盃は
あれは・・・あれは
死にゆく事にこの上ない喜びを
そのまま息を引き取った。
水盃 あん @josuian
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