第20話 エピローグ
朝起きて、歯を磨いて、朝食を食べて、着替えて、学校へ行く。代わり映えのしない日常が、毎日が、いつからか嫌いになった。
けれどそれは過去の話。今日からはもう、違う。
朝起きて、目を開けることすら躊躇う陽光の中。今までは何とも思っていなかった光が、今の僕には天からの祝福のように感じられた。
朝食もいつもと違ったものに感じた。メニューこそ違えど、食べたことがないわけではないのに。
学校へ行く道すがらは、今まで通りではない。この調子でいくと、草葉は碧く色づき空はキラキラと輝いていることだろう。
夏休み中はずっと日奈と一緒にいた。用事がなくても、僕の部屋に一緒にいた。
海にも行った。プールにも行った。映画にも、カラオケにも行った。
まるで僕らの夏休みは、今まで失ってきた時間を取り戻すような、そんな感じだった。だから何も用事がなくても、一日中一緒にいた。
そんな順風満帆だった夏休みはあっという間に過ぎて、二学期になった。今日から学校が始まる。
今までは新学期が憂鬱だったけれど、今日は違う。楽しみですらある。
朝食を摂り終えた僕は、カバンを持って玄関へ。靴を履いて、準備完了だ。
ドアを開けると、その先には――
「おはよ、ハル。一緒に学校行こ?」
日奈がいる。
これからどうなるかなんてわからない。この世にいる誰もが、未来のことなんて正確に把握なんてできないのだ。
けれど、これだけは自信を持って言える。
――僕は彼女を好きでい続ける、と
君のそばから、あなたの隣へ しりうす @sirius1522
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