救いのない物語に癒される
自分は、救いのない物語を見てると、不思議と癒しを感じることがあります。
例えばの話、
・生きていくのもままならない過酷な環境で暴力や暴言や理不尽な命令をぶつけてくる人たちに囲まれたキャラが、
・身体も心もすり減らし続けてもそこから逃げられず、
・ついには這い上がるための意欲も気力も失うか、現状を破壊するための破滅的な行動に出てしまう
みたいな八方ふさがりの物語を見てると、なぜだか気楽になることがあるのです。
今期の「はたらく細胞BLACK」のアニメを見ていても、それを感じました。
同作では、不健康かつ不摂生している人の身体で働く細胞たちが擬人化されているのですが、
・そもそも職場(身体)の環境が悪すぎて赤血球も白血球もばたばた死んでいく
・それなのに細胞たちには、そこから逃げることも、生まれつき与えられた機能以外の仕事もできない
・だから彼らは、死と隣り合わせの職場で自分の仕事を頑張り続けるしかない
……という救いのない状況設定に、辛さと同時に癒しを感じるのです(さすがに今日見たエピソードは辛すぎて、癒しどころではありませんでしたが……)。
そう感じる理由は、そういう救いのない物語を見てると、
「こんな状況だったら、生きづらかったり身を滅ぼしたりするのを全部自分以外のせいにしていいよね」
と思えるからです。
言い換えると、
「どんな状況でも自分の努力次第でなんとかなる!」
という、良く言えば前向きで明るい、悪く言えばマッチョでしんどい考えを忘れられるからです。
自分も、精神的には病みがちな環境で生活していて、なおかつお金も稼げていないため、八方ふさがりを感じています。
それでも今のところ衣食住は満たされていて(https://kakuyomu.jp/works/1177354054895092612/episodes/1177354055035017967)、なおかつ肉体的にはそこそこ健康です。
つまり自分は、這い上がるための最低限の「元手」は持っています。
だから、救いのない物語から癒しを感じたり、「こんな悲劇をなくすためにどうしたらいいだろう?」と考えるヒントを得たりしつつ、這い上がる努力を続けるつもりです。
「はたらく細胞BLACK」以外にも、いろいろと救いのない物語を見てきたことで、こういう話を書きたくなりました。
それだけ心動かされる物語を全力で作ってくださったクリエイターの皆様に、感謝を捧げます。
※2021/01/24、「細胞BLACK」の自分が見た範囲で一般細胞が死んでいる描写があったか記憶が定かでないため、「赤血球も白血球も一般細胞もばたばた死んでいく」と書いていた部分から「一般細胞も」を削除しました。
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