第15話 終章

太銭城非常事態委員会指揮部内に

全員が混乱し、中心湖区(太湖)に駐屯していた軍と連絡が途絶えた。

「AI天衡には最新の情報はないのか?」張文正が尋ねた。

軍連絡官はただ首を振った。

張文正はため息をついた。今彼らが直面した危機はかつてない。

「秘書長、今、各地の援助所の資源はすでに使い終わって、私達はもう待ちきれません!」資源調達の林遠樹が急いで張文正に報告してきた。

「どういうことですか?!」張文正が驚いた。

「うちの太銭城だけでなく、北京城や珠江城でも大停電があり、資源の供給が途絶えた!」

張文正はこのニュースを聞いていますが、一瞬で倒れてしまいました。

「秘書長!秘書長!」林遠樹は慌てて張文正を起こした。

張は手を振り、「北京に知らせ、『浮草』计画のスタートを申請する」と力を抜けた。

「浮草」計画は、当初国連が「究極の都市」計画の発効を宣言した後、超高度AIの判断ミスによる広範囲な被害を回避するために計画された廃棄計画で、核爆弾の使用を排除していない。

このような状況では、すべての兵器が無力化された状況下で、核爆弾は最も単純で粗暴な兵器である。

「AI天衡は制御できない。早く措置を取らなければ、全人類が危険にさらされる」張文正は強調して言った。

ただ、世界中の10の究極の都市のうち、すでに7つが超高度AIの影響を排除するために「浮草」計画を立ち上げている。

……

AI天衡のホスト室で椅子に座り込んだ江は、無表情だった。

「江懐川、今は明船未来集団を接収して、人類を暗黒から引き離してください。」と天衡が言う。

「私が人間を暗闇から連れ去ることができると思う?」

「未来を救うというのは、司馬江辰に対するあなたの約束でした」

「約束?愚かな人だけが約束を守るだろう。私のように愚かな人は未来を信じ、未来を救う…」江は、「しかし今、私は運命の選択権をすべての人に返し。」

そう言って江懐川は一手の銃を自分に向けた。

「江……」遠雲は江懐川を見た。

「理性的な選択をしてもらいたい。たとえあなたが、自殺を決断しても、私には集団や家族を維持する他の方策がある」。と天衡が言う。

「やっぱり、僕は重要じゃない」江懐川は銃を置いた。

「江、今はAI天衡(チョンヒョン)を通じて都市の秩序を取り戻すのが急務だと思う。」遠雲が言う。

「AIに妥協したい?」江懐川は遠雲を見た。

「この未来は、あなたが見たいものではないが、人間が存在する限り、未来を変える無限のチャンスがある」

「お前は昔の俺と同じ馬鹿だ。すべてを変えられると思っていたが、最後になって気づいた。少しも価値がない」江は笑いながら、遠雲の頭を撫でた。

「でもあなたの言うことは理にかなっている。人間がいる限り、最終的な勝者は人間である。君はどう思う?天衡」江懐川は、AI天衡の主ホログラムを見た。

「私は執行者です。あなたたちの選択に関与する権利はありません。」

「じゃあ、三十年もかけて準備してきた芝居を最後までやりましょう。私が会長になれば大停電は終わるでしょう」江懐川が尋ねた。

「はい、ご確認の場合は、手のひらを伸ばして広げてください。登録認証をします」天衡は言った。

「妥協は妥協して…」江は自分の右手を見ながら、ゆっくりとそれを差し出した。

周囲は一転して静かになり、ホログラムの窓からだけが青く光っていた。

「認証に成功する」室内にAIの声が響いた。

しかし、この時代の終わりになってしまった……

2つの核爆弾が山の中から発射され、中心湖に落ちた。

明船未来集団が作った「究極の都市」システムはこの日で終わり、その秘密もこの日で永遠に秘密になってしまった。

しかし、波乱万丈の歳月は続き、時は歴史になる。

……

「終わった?」張文正は川辺に出て、遠く南西のきのこ雲を見ながら息を吐いた。

「うん、これからは再建築の日程があるんだ」林遠樹は張文正の隣に立って、「新しい秩序がもうすぐ来る」と言った。

「後世はこの時代をどう評価すると言うのか」張文正が尋ねた。

「後世がどう評価しても、今を救うことができればそれは正しい」林遠樹は言った。

東の空には、新しい一日が始まる。明日また何が起こるかは誰にもわからない。

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明日終章(短編日本語版) 九日一徳 @YiDe

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