第5話 趣味人
※このお話には本編未公開のネタバレが大量に含まれています
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「本日も始まりました音楽部の生放送、本日のパーソナリティーは~、わたくし小巻ナツメと~?」
「古我悠希でお送りします」
「さくらの花吹雪だね!」
「そうですね。掃除が面倒なので、大雨で流してくれると良いんですが」
「私と同じものが見えてるのか心配になるよ!」
「人の数だけ世界があるってことです」
「では、気を取り直して・・・今日のテーマです。ドン!『趣味について』です!」
「それは建前用ですか?本当のところですか?」
「趣味にそんな区分あるなんて知らなかったよ!――あ、あれ?でも自己紹介で言う用の趣味ってホントの趣味かと言われると・・・」
「まぁまぁ落ち着いて。興味は無いですが、取り敢えず尋ねてあげますよ。先輩のご趣味はなんですか?」
「興味が無いって言っちゃってるよ!もう・・・でも趣味かぁ、トランペットだね。やっぱり!ピアノは趣味を超えちゃってるしね」
「つまりトランペットはエンジョイ勢で、ピアノはガチ勢ということですね。先輩はトランペットに本気じゃないんですね。後輩としても相棒としてもショックですよ。先輩にはガッカリです」
「ショックを受けてるのか、私をディスって遊ぶのかハッキリしてね!」
「ハッキリしているつもりなんですが・・・」
「そーだね!私をディスって遊んでるよね!」
「分かっているなら言わんで下さい。恥ずかしい」
「どうして私が悪い様になってるの!じゃあゆーくんの趣味も教えなさい!ホントに私は興味無いんだけどね!」
「立ち読み・・・ですかねぇ」
「そこは読書とかにしとこうよ!」
「本って無駄に高いでしょう?それに嵩増ししていますから、本当に必要なところなんて数ページです。パッと読んで次々いくのが効率的なんですよ」
「好きな作家さんとかいるの?」
「誰が書いているかなんて気にしたことも無いですね。俺が欲しいのは客観的なデータであって、作者の考察や感想はただのノイズです」
「それにしては、ゆーくんは図書室に行かないね。なんで?」
「うちの本は古いですしね。最新のデータでないとあまり使い道がありませんし、所詮公立ですね。先輩は絵のある本しか読めないんでしたっけ?」
「マンガって言ってよ!ドラゴンボール貸してあげたの面白いって言ってたじゃん!」
「面白かったですよ。だからちゃんと読んでから返したでしょうが。何なら俺のオススメ本も貸してあげたのに読まなかったですよね?」
「全部英語だったからね!私が英語苦手なの知ってて貸したんでしょ!?」
「先輩が入試で英語だけ使うって言っていたから、丁度良いものを見繕ったんですけどね」
「余計にキライになるよ!調べたら日本語訳の本があったからそっちを読んだけどね!結局よく分からなかったけど!」
「先輩のそういう律儀なところ好きですよ。また英語見てあげますから、機嫌直してください。それよりも趣味の話ですよ。本当のところどうなんですか?」
「どうなんだろう・・・ドラクエとか?」
「まだやっていたんですかアレ。懐かしいですね。先輩が性格が気に入らんと喚いていたことを思い出しましたよ。」
「最初の「おちょうしもの」が一番正解だったでしょうが」
「イヤだよ!ゆーくんは「セクシーギャル」にしろってうるさいしさ!」
「一番強いんだから良いでしょうが。女主人公の特権ですよ。女尊男卑ですね。」
「人に見られたらどーすんのさ!何回もやって「がんばりや」にしたんだよ!」
「――ほう、じゃあ見せてみなさい」
「え、それは・・・」
「正直に言うと楽になるぞ、さぁ正直に言いたまえ」
「せ・・・「セクシーギャル」にしてます・・・ハイ」
「それで良いんです。趣味とはいえ効率的にやるに越したことはありませんからね」
「うう・・・でもドラクエ3は面白いよ!」
「全くです」
「は~い、そろそろ終了のお時間です。本日のお相手は~音楽部部長、小巻ナツメと!」
「音楽部平部員、古我悠希でした」
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スピンオフ1話はコチラ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054895038501/episodes/1177354054895038990
本編が気になった方はコチラ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894172807/episodes/1177354054894172921
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