第3話 笑えるウソと笑えないウソ
※このお話には本編未公開のネタバレが大量に含まれています
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「本日も始まりました音楽部の生放送、本日のパーソナリティーは~、わたくし小巻ナツメと~?」
「古我悠希でお送りします」
「突然ですが!私、音楽部を辞めます!」
「そうですか。引き継ぎだけはキチンとやっておいて下さい」
「え?それだけなの?もっと他に・・・ほら、なんでー?とか、先輩辞めないでーとか無いの?」
「なんでー?辞めないでー」
「もちろん、エイプリルフールだよ!私はずっと要るからね!」
「ちなみに俺は、音楽部の他に二つ掛け持ちしてますが・・・」
「え!?私聞いてないよ!どこなのさ!辞めさせるから教えなさい!」
「過激派ですか、アンタは。・・・冗談ですよ」
「ではでは、本日のテーマです!どれどれ・・・『ウソとデマについて』です。私の出番は少なそうですね!」
「考えるくらいなら誰でもできるでしょうよ・・・まずは、いつも通り定義から攻めていけば良いんじゃない?」
「お任せあれ~。えっと・・・ウソは、「事実ではないこと」で、デマは、「根拠の無いうわさ」って出たよ!」
「そのまんまですね。当たり前ですが・・・で、なんでそんなのがテーマになるんです?」
「今ね、SNSで色んなデマが飛び交っているんだって。私のLINEにも変なの来たりしてるし、ゆーくんは無いの?」
「知り合い以外のものは、片っ端から消すんで知らないですね」
「買い占めとかもデマから始まったらしいし、怖いよね~」
「さっき確認してもらった通り、「根拠の無いうわさ」なんだから放って置けば良いと思うんですが・・・」
「それがね!根拠っぽいことも一緒に流されたりするんだよ!」
「ぽいだけで、ウソなんでしょ?」
「そうだね」
「つまりアレですか。自分でうわさの信憑性を評価できない思考停止バカが増えている、という問題なんですか?」
「ミもフタもないね!」
「デマって、扇動って意味も無かったでしたっけ?」
「あるね。それが?」
「うわさの方は、「バカが言い出して、バカが広めて、バカが信じる」という、バカの中だけで完結するんで、別に良いんですが、扇動はそうもいきません」
「んん?どゆこと?」
「扇動はある意味、「そういう空気」を作り出すことですから。例えば、人気のあるナツメ先輩が何気なく俺の事をウザいと友達に言うと、数週間で学校中が俺の事をウザいと思うようになる、ということです。これは空気ですから防ぎようがありません。先輩より影響力のある人間に、上書きしてもらうしか無くなります」
「例えが悪すぎるよ!私ゆーくんのこと悪く言ったことなんてないよ!みなさーん!コチラの古我くんは、冷たそうですが優しい良い子ですよー!」
「とまぁ、こんな感じに先輩を煽ると、こうやって俺の評価が労せずに上がるわけです」
「もう!なんなのソレ!私で遊ばないでよ!」
「人がウソを付くことを止めることはできません。が、ウソかどうか判断することはできます。デマとウソはセットですから、しっかり自分の中で考えて、納得してから行動を起こせば良いかと思います」
「キレイに纏めちゃったよ!」
「は~い、そろそろ終了のお時間です。本日のお相手は~音楽部部長、小巻ナツメと!」
「音楽部平部員、古我悠希でした」
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「(ところで、私たちは学年変わったりしないの?)」
「(しません。本編が進まない限り先輩は永遠の17歳です。良かったですね)」
「(でもでも、入学式の前にゆーくんが居るのはさすがにおかしいんじゃ?)」
「(どこにも今日が4/1とは書いていないですよ。そんな事を言い出したら、海産物一家はほとんど全滅していますよ)」
スピンオフ1話はコチラ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054895038501/episodes/1177354054895038990
本編が気になった方はコチラ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894172807/episodes/1177354054894172921
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