幻約聖書『愚者篇』~まやかしの天空の城~
星十里手品
まやかしの天空の城
人類は城を建造するために百階部分を造るために、一階を構成する材料を使って、愚かしくも百階を造ってしまった。百一階を造るために、二階の資材で代用してしまった。そのようにして城は、虚構の材料によって積み上げられて、はるか天空に非存在の物体として浮上していた。誰も気付かなければ、そのまやかしは墜落することもなく、公的にいつまでも浮いていられた。一番下の階でその下が中空で何もない、という絶望的な事実に気付いた誰かが、本当のことを大声で叫べば、何万年も催眠術にかかっていた城は、正気に戻って地上に落ちるだろう。だが遅かれ早かれ、いつかは落ちてしまうのではないのか? 城の秘密を知る管理者の針刺は、ルージュを引いた唇の前に人差し指を立てて
「滴った血が大地を飲み込み、星を清め、杯に注がれる」
幻約聖書 ルビヤの石『予言篇』プー
幻約聖書『愚者篇』~まやかしの天空の城~ 星十里手品 @seijyuurisyupin
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