第2話 嗚呼、麗しき我が高校生活! 独白2
時空間操作の能力を惜しみなく使い、県でトップといわれる高校に入学しました。
勿論入試ではカンニングしまくり、試験時間も自分だけ時間停止で思考時間延長しまくりでしたが何か?
いや、だってオープンキャンパスの時、先生が「持てる力の全てを振り絞ってください」って言ってたからしょうがないですよね?
そんなわけでトップ合格を果たしたわけですが教師連中の圧が凄いです。1年生なのに既に大学入試について語ってきます。
まあそんな圧力なんて屁でもないんですがね。
時間停止して教師の前であっかんべーをしたりお尻ぺんぺんなどをするととても爽快なのです。なんといっても県下トップの高校の精鋭教師陣に向かってこんな態度を取れるのですから。
更に授業中は睡眠、休み時間は時間停止と瞬間移動で日本中を小旅行、放課後はアニメや漫画で悠々と娯楽を楽しむ。
そんな感じで理想の高校生活を送れています。
高校1年の7月、高校生になって初めての夏休みが始まりました。
宿題は初日で全て終わらせ後は悠々自適な堕落ライフを送るのみ!
と思っていましたが、この高校には夏季補習なるものがあることを忘れていました。クソだるいですね。
いつも通り授業中は睡眠して過ごしていると、僕の後ろの席の小林君の席の周りに所謂リア充と呼ばれる輩が大勢集まっているのを目撃しました。
何をやっているのだろうかと思い机に顔を伏せたまま盗み聞きしますと、何やら盛り上がっているようです。
ふむふむ、クラスメイトの渾名を決めてるようですね。僕の渾名は何になったのでしょうかね。
『校内一文武両道なデブ』ですか。
……痩せよう。
ということで家に帰ってきました。
まずはコーラとポテチを持ってきて……。
じゃない!
危うく日本が誇る食文化に殺されるところでした。
ポテチとコーラは棚に仕舞い、トボトボと自分の部屋へと戻ってきました。
よし、運動だ!
ということで何をしましょうか?
ランニング?筋トレ?それともスポーツ?
いいえどれでもありません。
しいて言うなら筋トレが一番近いですね。ここで最近出来るようになった技を披露しましょう。
異重力空間
僕が《時空間操作》の異能を使いこなそうと思っていた時期に読んでいた漫画を参考にして出来た技です。
空間を隔離し、その内部の時間を速めたり遅めたりすることで重力を疑似的に操っているのです。まあどうでもいいでしょう。
今から超重力環境下でトレーニングをします。
まずは腕立てから!
……3回が限界でした。
よし、気を取り直して腹筋します!
……2回出来たらいいよね?
げふんげふん、次は背筋だ!
……5回も出来た!やったぜ!
最後はスクワットだ!
……10回出来た!僕ってばすごいぞ!
僕は異重力空間を解除し、元の時間軸に戻りました。正午に学校から帰ってきた時にはまだまだ陽が昇っており暑かったですが夕方ともなると若干涼しくなってますね。
運動して疲れたのでストレッチをして寝ることにしました。
その際、時間がもったいないので周囲の時間は止めてます。いや、過去に戻れるようになればこのような考えはなくなるのでしょうが、今の僕にはまだ無理なのです。
ということでおやすみなさい。
起きました。おはようございます。ほんのり筋肉痛が残っています。
でもトレーニングを続けます。
また異重力空間を生成しその中で同じトレーニングをしました。
そして疲れたら空間を解除して寝る。
時折内部の重力を変えながらも都合18782セットを終了した頃には僕の体は筋肉ムッキムキになっていました。
そして時間停止も解除し、明日の夏期補習に備えて眠ることにしました。
おやすみなさい。
グ〜
すみません、お腹の音です。
家中にある食料をありったけ食べたのですが足りませんでした。
なので小学生の時からずっと貯めてるお年玉を使い切る勢いでコンビニでご飯を買って食べました。
コンビニ4軒分の食料を喰らい尽くしたところでもう満腹です。
気持ちよく寝れそうです。
では、おやすみなさい。
おはようございます。
まだ眠たいですがこの鍛えまくった筋肉を魅せつけに学校に行くことを決めていたので頑張って起きます。
その前に今日の自分の筋肉のキレ具合を見ておきましょうか。
鏡の前に立つと、トレーニング以前よりデブデブな僕の姿がありました。
時空間を操れるだけの能力者 HIKI @kumihiki
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