あらすじ

 性的虐待を受けて育った白崎凛花と、中学の頃のいじめが原因で病んでしまった藤宮菜乃花の恋のお話です。 

 

 高校二年生の白崎凛花は、五年前、友人の菜乃花と交わした、また一緒に音楽をするという約束を胸に抱えながら、物足りない日々を送っていました。

 高校からの友人である、南理奈からバンドに誘われるも、菜乃花との約束が胸に引っ掛かり頷けずにいました。

 そんなある日、凛花は菜乃花と約束を交わした大美湖の東屋で、偶然、菜乃花と再会を果たします。

 次の日、菜乃花が同じ高校の通信制に通っていることを知った凛花は、理奈と共に菜乃花をバンドに誘います。

 菜乃花からの返事は、『拒絶』でした。

 菜乃花は中学生の時、文化祭で伴奏を任され、失敗し、いじめを受けていたのです。

 凛花もまた、中学生の頃は、父親の居る家に帰りたくない一心で、母親から買って貰ったギターを手に、夜の街を徘徊する日々を送っていました。

 叶わないかと思われた約束は、二人が共通して好きな、『After Death』というバンドを機に、一転します。

 目標である文化祭での演奏、その日に心中することを約束し、二人は幼い頃交わした約束を果たそうとします。

 過ぎゆく日々の中、凛花と菜乃花は歪な身体の関係を続け、文化祭当日の演奏後、凛花を想った菜乃花はひとりで自殺しようと試みます。

 自殺は未遂に終わり、バンドメンバーの四人で、生きている限りバンドを続けることを約束します。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

眠れない夜の傍に 宇月零 @utukirei

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ