第4話 序列式
「劍!!」
人の声が聞こえる……
俺は一人暮らしのはず、あっ……そういえば
劍は何かを思い出したのかすぐに目を開く。
視界に見えた光景は驚きのものであり、劍はかなりびびっている。
「えっ……舞!!」
「やっと起きたんだ!起きないから上に乗って起こしてたよ!」
そう実は劍と舞は昨日の帰り道に敵の気配があったことから劍の家で泊まることにしたのである。もちろん異性同士の泊まりは規則違反になるので明音会長には許可をとってある。
「起こしてくれたのはいいが上に乗るな!!」
「えぇ!照れてるのぉ?」
正直というより男なら誰でも照れる。
まず家に女の子が来たことないのに、俺のベットの上で俺の上に乗るとか興奮するだろが!
まぁ舞が昨日初めて会った時より元気になってるからいいか。
こうして波乱の学園生活2日目が始まる。
学校が始まってから1週間は何も大きな出来事はなく、一つあるとすれば登校初日で規則違反をした罰が草抜きだったので1人で中庭の草を抜いてると、明らかに美人の女の子が俺の横にきて草抜きを手伝ってくれた事ぐらいだ。
そして毎日一緒に舞と家に帰り、明音会長の支援のおかげで同じ家に住むことを許された。
もちろん一緒に寝たりとかではなく部屋は別、お風呂なども基本的なものは全て2つ用意されており、会話するのは食事と休憩中ぐらいだ。
学校に行くと知らぬ間に敬のおかげで友達が何人か出来ており毎日楽しく過ごしている。
時々迷々る戦闘実習もとてもためになる話や訓練で強くなっている実感もある。
「ふぅ……敬、今日の実習は何なんだ?」
「あぁ、今日は全校生徒による序列式だってよ」
「序列?」
「あぁ、!なんかどの学園にも序列ってのがあって強い順に1位、2位、3位があるんだってよ。」
「へぇ、全校生徒なんだ。どうやってやるんだろうな」
「さぁな。まぁ楽しそうだからいいや」
こうして全校生徒による序列式が始まった。
序列式は今後の八総合学園の大会などに出れるための切符も握れるので上に行けばいくほどいいのである。
昼から始まり、次の日の夕方まであるらしい。最初の挨拶はもちろん生徒会長の明音会長が話し、戦闘の前に現序列10位までが全校生徒の前に登壇し一言ずつ意気込みを発表したのである。
序列1位……3年Sクラス
「雲蜘といいます。3年連続序列1位を目指し今回も奮闘するので皆様も全力でかかってきてください」
序列2位……2年Sクラス
「現生徒会長の青末明音です。生徒会長としてしっかりと上位に残りたいと思います」
序列3位……2年Sクラス フリッツ リーシャ
「こ、今回は1年生も、く、加わると言う事でわ、私もが、頑張りましゅ!」
序列4位……2年Sクラス シュルツ スペイ
「生徒会長の秘書、シュルツスペイです。今回の大会では今の序列より上に行くために精進してきたので頑張りたいと思います」
序列5位……2年Sクラス
「……頑張ります……」
序列6位……3年Sクラス
「1年生頑張れ。俺も頑張る」
序列7位……3年Aクラス
「3年生最後の序列式のため、今回はいつもより気持ちを高めて挑む。私と勝負する時は全力で楽しもう」
序列8位……3年Sクラス
「適当に頑張りまぁーす。なるべく楽に勝ちたいから手加減してねぇー」
序列9位……2年Sクラス
「獅羅雲学園の副会長を努めさせてもらっている後藤である。今年も序列10位以内に残れるよう奮闘する。」
序列10位……2年Aクラス
「2年Aクラスの誇りを持って挑ませてもらいます。今年こそは序列3位内を狙っていきます」
めちゃ威圧感あるじゃん
ほんとにこの人達とやるのかよ……
劍が少しびびっていると隣にいた舞からなぜか説得力のある言葉をかけられる。
「劍ならいけるよ、だって私のヒーローだもん」
その言葉と同時に見せる笑顔はとてつもなく愛おしく可愛い。
「舞……」
劍と舞がいい感じになっている所でもちろん邪魔は入ってくる。
その邪魔者とはもちろんこいつだ。
「おいおい、イチャイチャしてんなぁ!俺も敬ハーレム作りてぇよ!」
「は?死ねよ」
「釣れないこと言うなよォ!!」
こうして序列式の開会式が終わった。
序列式のルールは至って簡単であり、これから1週間学園内での戦闘を許可し、序列をかけて対戦する事が出来る。
相手に勝てば負けた人の序列になり、負けた人は勝った人の序列の1個下となる。
もちろん誰に対戦を申し込んでも良い、そして挑まれた相手は絶対に受けなければならない。
「劍は最初誰に挑むんだ?」
敬は俺に向かってそう聞いて来る。
正直戦闘は好きではない方なので1回で終わらしたい。
1回で終わらすのは無理だとわかってるがよくよく考えると1回で終わらす方法はないこともない。
「俺は序列1位の雲蜘翠さんに戦いを挑むよ」
その言葉を聞いた舞と敬は驚いたのかすぐに否定に入る。
もちろん登校してあまり経っていないのに急に序列1位と対戦するのはあまりにも無謀であり、もし勝ったとしても他の人が群がってきて1回だけでは対戦は終わらない。
だが俺は勝つ自信と対戦を1回で終わらす自信があった。
「劍、本気でやるのか?」
「劍、やめた方がいいよ。さすがの劍でも序列1位は強さのレベルが違うよ」
2人は俺の事を心配してくれてるが俺はこの作戦しか上手くいく自信は無いため、2人にはすまないが序列1位と対戦する。
「まぁ2人とも見ていてくれ、俺は必ず勝つ」
そう俺が言うと敬はさっきの雰囲気とガラッと変わり「まぁお前アホだから仕方ないか」と笑ってバカにしてきたのである。
それに釣られて舞も「もぉ、笑われ者にはならないでよ!」と笑ってくる。
少しウザイが2人なりに俺の事を認めてくれていたので俺は感謝の気持ちも忘れず言葉を返す。
「大丈夫だ、ありがとな」
こうして次の日、ついに黒崎劍と序列1位の雲蜘翠の対戦が始まる。
空は明るく、時間は午前10時、授業も序列式中は無いので観客はほぼ全校生徒。
そして序列1位と無名という異例の対戦なので公式フィールドを使って行われる。
フィールドに初めて入った瞬間、空気が一気に重くなり手が急に震え出した。
控え室で舞と敬と応援されたがその応援が一気に無に変えるような感じである。
そして俺がフィールドに入った数十秒後、真逆の入口から圧倒的威圧感のある序列1位の雲蜘翠が入ってくる。
これが1位かよ……
威圧感ハンパねぇ、正直勝てる気、一気にしなくなったけどここまで来たらやるしかないな。
劍が精神統一していると雲蜘翠から話しかけれる。
「劍君と言ったかな。何故急に序列1位の私に対戦を挑んだの?」
「1位を取りたいからです」
その言葉に嘘は無いが雲蜘翠のこちらを見る視線にとてつもなく大きな威圧感があり、本当の事なのに嘘に感じてしまう。
まんまと相手のペースに持っていかれてしまってるが1年と3年という経験差もあるのでそこはしかないと思うしかない。
「まぁ長話も疲れるので早速対戦しましょうか。劍君がどれほど強いのか楽しみです」
「すいませんが勝たせてもらいますね」
「あらあら、急ぎすぎは隙ができる前兆ですよ」
いがみ合っているとフィールド中央の真上でアナウンス室があり、2人のアナウンサーが劍と翠の自己紹介がおこなわれる。
「さぁさぁ!いよいよ始まります!序列1位の雲蜘翠選手と強さ不明、度胸大の黒崎劍選手!勝敗は既に多くの人が決めていると思いますが急に序列1位に挑むということはそれなりの策があり劍選手が勝つ可能性あります!」
「まぁどちらが勝っても獅羅雲学園の象徴は絶対的な物になるから楽しみだねぇ」
「それじゃ対戦を始めます!」
「劍、頑張って!!」
「敬ハーレムのためにここでお前が序列1位になって合コンに俺も誘ってくれ!」
「黒崎劍……この戦いに勝てば将来の生徒会長の候補となるわね。まぁ私は認めないけど、舞さんを助けた時から何かあるとは思ってたからこの戦いで見せてちょうだい、まぁ劍が勝って私が序列3位になるのは少し嫌だけれど」
色んな人の思いが重なる対戦がついに始まる。
「レディー!!!!ファイト!!!!!」
《あとがき》
投稿遅れてすいません!
なかなかリアルが忙しいので遅れ遅れになりますが今後ともよろしくお願いいたします!
Fg(ファイナルゲーム)・・・これはゲームであってゲームではない、ゲーム時代の最後のゲームである。 るしるし @rurusiera
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Fg(ファイナルゲーム)・・・これはゲームであってゲームではない、ゲーム時代の最後のゲームである。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます