第3話 真実

人というものは記憶が無ければ昔いた大切な人、昔起きた出来事などは思い出せず、今ある現実を受け止め、探るしかないがこの男は違う。


「なかなか面白くなってきたな」

「マスター、ここからですよ」

「まぁな。剣城つるぎ君はこのSDSLの世界でどこまで生きていけるのか、成功作として頑張って欲しいものだね」


この会話は一体何なのか?SDSLとは何なのか?剣城とは誰なのか?

それを知るにはもう少し時間がかかりそうだ。




ある世界では……


瑞希みずき!!大丈夫か?」

「貴方は誰なの?」

「俺は和樹かずきだ。すまない、さっき名前を知って呼び捨てで呼んでしまった」


この人優しい……

私こういう人好きかも


「いえいえ!助けてくれてありがと!所でなんで私が誘拐されてる事を知ってるの?」


不思議に思った瑞希みずきこと私は和樹というイケメンの少年にか聞いた。

見た感じ獅羅雲学園の生徒であることがわかった。

しかも見たことない顔だなぁ。1年生かなぁ


「いえ、たまたまあの男の声が聞こえてやばそうだったので様子を見にこちらへ来たら瑞希さんが誘拐されそうになっていたので」

「そういう事ね、本当にありがとね」


感謝する瑞希は少し照れくさそうにしないる。男の和樹もその顔を見て少し顔を赤くするが状況はそれどころでは無い、先程誘拐犯との戦闘を行ったため、学校での規則を破ってしまった。

これが見つかればもちろん規則違反として罰があるので早急に男を警察に連れていかないと行けない。



こうしてある世界でこの物語のヒロインは主人公と全く関係のない男の子を好きになる。

そしてこの世界が何なのかはまだ秘密である。

強いて言うなら瑞希のいる世界は劍のいる世界と全く同じ世界に存在しているがもちろん同じ世界ではない……



劍のいる世界……


俺は今結構凄いところにいる。

多分、この学園生活で1回も入る事のない場所に来ている。

そうそれは生徒会長室だぁぁ!!!!

皆様、すいません。

めちゃいい匂いします。


「劍君、何ぼっとしてるの?今から舞さんが大事な事を話してくれると言うのに」


その生徒会長の目は明らかに俺を異性として見ていない目であり殺意の目をしていて正直怖い。

ってか何故こうなったかと言うと……


「劍君、舞さん、この事に関しては公にしないから生徒会長室でなぜ誘拐されたのか舞さんは話して欲しい。劍君は今回規則は破ったけれど人を助けたそして1年の初めという事で今回だけは見逃してあげます。その代わり舞さんが何故誘拐されたのかを聞き、これからも追われるようであれば舞さんを貴方が助けなさい」


えっ……

まぁ顔は可愛いし、性格も良さそうだから良いか。


「分かりました」


こうしてあっさり劍は生徒会長の明音の命令を聞き入れ、舞はなぜ誘拐にあったのか生徒会室で話す事となった。


「舞さん、落ち着いたらでいいから話してちょうだい」

「わ、分かりました……」

「舞ちゃん、無理しないでね」

「う、うん。劍君ありがと、」


舞は何かに怯えながら人と会話しているように見え、その疑惑は俺だけでなく会長も少し気付いているようだ。

すぐに確認したいが今はそれよりなぜ誘拐されたのかを先に聞きたいので後からにする。


そんな事を考えているうちに舞は1度大きな深呼吸をして目をつぶりゆっくりと口を開け話し始める。その内容は衝撃なものであり、にわかに信じられない話であった。


「私は人ではないのです。今は赤坂舞という名前で人として知られていますが本当は火人かじんといって別の世界、いやこの地球の隣にある新地球という世界にいた人種です」


劍と明音会長は舞の言っている意味が分からず混乱する。

そもそもこの地球の隣にもう1つの地球がある、その名前は新地球という。これはどういう意味なのかというと元々この世界は平凡であり戦闘に特化した武器も無かった。

なぜこんなにも戦闘が発達した世界になったかと言うと、劍達がいる地球の隣、つまりその地球の付近である日突然何らかの現象により劍の地球と全く同じ大きさ、地形をした地球が現れたのである。

この地球は新地球と呼ばれ各国の代表はすぐに新地球について調査をする、その結果今の劍達がいる地球では到底及ばない技術のものがたくさんありこのまま放って置けば危険という事で戦争を仕掛ける事となる。

結果は勿論大敗北、被害は甚大であり唯一収穫があったのは敵の地球で作られていた武器、これを統器とうきと呼び30本持って帰れたのである。

この統器を調べに調べコピーする事に成功、統器には及ばない武器だが今の地球からしたら革命だった。

そしてまた新地球に戦争を仕掛けるために被害の少ない発展国である日本に統器30本とそのコピーを預け、戦闘育成学園を開設する事になった。

そうして8つの学園ができ、獅羅雲学園もその1つである。


「私のお父さんは昔、火人の中で一番強い人でした。でもリムカーンという男がお父さんを殺し体に吸収したのです。そこから他の火人も戦闘に加わりましたが全員負けてしまい、全員吸収されました。そして今あなた達のいう新地球から、お父さんの使っていた伝説の剣、烈炎魔王フランベルジェを使って1回だけどこにでもテレポートできる技を使いこの地球に来ました」


正直信じられない、だが納得はいく。

そもそも統器とはどれほどの力が秘められているか分からない。

俺の使っている煌陽剣リターソウルと???もまだまだ力を引き出せる。

そしてリムカーン……確かにあの男2人の会話を聞く限りリム様はリムカーンという名前で間違いないだろう、今は警察にいるが後から話を聞かなければならないかもしれないな。


こうして舞は昔の重要な出来事、そしてこの世界に来てからの暮らしを説明した。

それはあまりにも残酷であり普通の人であれば必ず生きる事を諦めているほど辛い。

そして驚くべきことがもう1つあった、それは舞ちゃんには普通の人とは違い、火人という人種であるため体の作りが少し違うみたいで火人は通常の人の5倍の力を出せるらしい。

正直今は理解すらあまり出来ないが嘘をつくとは思えないので信じるしかない。


そして時が過ぎ、結果明音会長は舞ちゃんを1度、学園の保護管理に置くことにし、その保護をするのは劍となった。


「劍君、君にはすまないが頼んだ。この事は内密でいきたい、職員にも内通がいる可能性もあるしな」


明音会長は少し暗い声でそう言い俺の方を見た。その目は何かを必死に隠そうとしている目にも見えた、だが今はそれを聞く勇気はなくそのまま舞と一緒に帰ることとなった。


「失礼しました」

「しっ、失礼しました!」


生徒会長室を後にし、寮へ向かうことにする。

だが少し疑問に思ったことが……

俺は舞ちゃんの保護管理、まさか……

一緒に住むとかないかなぁ……にひぃにひぃ


劍の気持ち悪い妄想が頭だけでなく顔にまででてしまうが舞は大のド天然なためそれに気付かず劍の方を見て話しかける。


「私のために迷惑をかけてすいません……」


その声はあまりにめ寂しく辛い声であった。

先程まで気持ち悪い妄想をしていた劍の頭の中は一気に舞の心配へと変わりすぐにいい言葉を考える。


「大丈夫だよ、俺じゃなくても助けを求めてる人がいたら助けに来るよ」

「劍君は優しいんだね……」


えっ……

普通に照れるんだが。

まぁここは冷静に対応しよう!決して下心は無いのだからな!


「い、いや。優しくなんてないよ!まぁ悲しい話はやめて楽しい話をしようよ!」

「ありがとう。私の事は舞でいいよ」

「えっいいの?じゃ俺も劍でいいよ」


こうして2人は出会い、のち……となる。






《あとがき》

毎回あとがきすいません。

今回は少しだけ短めです!説明が多いので短めにしました。今回から色々と付箋を貼っていくのでその付箋が少しずっと解かれていくのを楽しみにしていてください!

まだまだ始まったばかりなのでこれからもっとおもろしくしていきます。

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