エピローグ

いつも、遠くから見ているだけ。



私のことを好きになってくれる人なんて、絶対にいないと思っていた。


うじうじオドオド、引っ込み思案で。


そんな自分がキライだったあの頃。


でも、間違いなく彼との出会いが。


私の世界を……


そして私を変えるきっかけをくれたんだ。



誰もいない放課後の教室。


一緒に笑った保健室。


その一瞬は、永遠に色あせない。



大切な想い出は胸の中に。


私は新たに歩き出す。


変わらないことが大切な場合もあるけど。


変わっていくことが大切な場合もあると思う。


季節が移りゆくように……少しずつでいい。


自分自身を好きでいられるような、そんな人になりたい。



今日は、大切な記念日。


早紀にとっても、私にとっても。


新たに始まる物語の、最初の1ページ。


まずは、友人代表のスピーチに挑む、私の第一歩だよ。



早紀、待っててね。


私は心の中で大きくうなずいた。


そして、聖也くんの大きな手に包まれながら。



私は、今。



新しい一歩を踏み出した。







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seventeen。 花奈よりこ @happy1023

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