全てを知っていたからこその結末だった
椎名由騎
都市伝説
高層ビルが立ち並んだ大都市の中心街。
何も知らない人々が今日も街中を行き交っている。表では綺麗に発展を遂げた都市としての貫禄があるが、その地下にも重要なものが隠されていた。
光がある場所に必ず影があると言われる程、この街は影が支えとなって大きくなったとも過言ではなかった。
この都市の地下には闇の世界が広がっていると都市伝説のような話が一部のネット記事に掲載されていた。それを知った人はただの都市伝説と笑う人が大半だったが、若者の間ではその都市伝説を追う人もいた。
ネット記事に書かれていたのは、都市の中心街には隠された地下に通じる扉があり、そこから中へと入り、薄暗がりの続く階段を下りていく。かなり長い階段を下りた先には黒い煉瓦造りの建物が立ち並んでおり、そこでは多くのマフィアが拠点として住んでいる。政界の重鎮との取引や違法物の裏取引が行われており、そこで作られたお金は地上の大都市に流れているという記事だった。
ネタとして面白いと感じた若者がこぞって探し出そうとする動きを見せる中、そのネット記事を書いた人物を追おうとした。
しかしその人物の名前や素性はどこを探しても出てこず、記事を再度確認しようとアクセスした者はすでに記事が無くなっていた。若者たちはこぞって中心街に集まって情報収集したが、最後には出てくることはなかった。
その記事を書いた人物はすでに亡くなっていた。
どんな記録からも消去され、どんな人物であったのかもわからない。
その人物はこの世から抹消されたのだ。地下の住人の手によって…………………。
全てを知っていたからこその結末だった 椎名由騎 @shiinayosiki
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