反撃の幼馴染

ベームズ

我ながら綺麗にまとまったなと思います。

「あはは‼︎え〜、何それ〜本当に〜?」

「あはは‼︎それがほんと、ほんとなんだって〜」

「あはははは……はぁ、なんだこれ」



「でね?次、これ」

「キャー‼︎これが潤君?小さーい」

「でしょー?これなんて初めて潤が一人で歩いた時の写真だよ‼︎ビデオもあるからこれから見ましょう‼︎」

「うわー‼︎レアー‼︎ぜひぜひ‼︎」

「お前らいい加減にしてくれないか?人のアルバムで盛り上がるの……」

「いいじゃない、別に減るものでもなし」

「そうそう、それに潤君のこと喋ってるカナメちゃんのはしゃぎっぷり、まるで母親のようよ?」

「いやいや、アヤノの方こそ、こんな可愛い頃の潤を知らないなんて可愛そうに思えて、少しはお裾分けしてあげてもいいかな〜なんて思ったって言うか〜」

「そうなの〜?でもほんとカナメちゃんには感謝だよ‼︎潤君の小さな時のことなんて、小さい頃からずっと一緒のカナメちゃんくらいしか知らないし?少しでも知って私も距離を縮められたらな〜って思うし?」


「そ……そっか」

「うんうん」

「そうだよ〜」


「……さっきからなんなんだ?最初こそ警戒心全開だったカナメちゃんだけど、すぐにいつも通り仲良く話し始めた。ここまでは無事に違和感なく夕食→出し物→ケーキ、までこれた。けど、いよいよパーティーも終わりに近づいてくるこのタイミングで感じ始めた、二人の間の妙な緊張感は……僕の胃がキリキリと悲鳴を上げている。今もそう、一見、僕のアルバムで盛り上がっているように見えるが、しかし‼︎なんというか、今にも爆発しそうな爆弾を前にしているかのような気分になる……はっきり言って怖い‼︎」



「なんか言った?」

「……なんも」

「そう」


「じゃあ‼︎そろそろあれ、いきましょうか‼︎」

「そうね、ではお楽しみ‼︎今回のメインイベント‼︎プレゼントターイム‼︎」


「え?僕さっき渡した……」


「大丈夫‼︎私がカナメちゃんへのプレゼント渡すタイムだから‼︎」


「わー嬉しい‼︎今年も潤からしかないと思ってたから‼︎まあ、潤のプレゼントが最高すぎてかなりハードル高くなってると思うけど?」

「それは私も張り切らないとね‼︎頑張るからそこで見ててね、潤‼︎」


「……カナメちゃん、プレゼントもらう側の君が何でそんな上から目線なの?そしてアヤノさんも、プレゼント渡すだけでそんな戦いに行くみたいな覚悟いらないんじゃ……?」


「いいえ、これはある意味生死をかけた戦争よ‼︎このプレゼントタイムによって勝敗が、あるいはその者の人生が決まるの‼︎」

「そうよ‼︎これはいわば私とアヤノの一騎打ち‼︎たとえ潤といえどこの一戦の邪魔は許されないわ‼︎」

「……わかったよ」


「さあ‼︎いくわよ‼︎これが私のプレゼント‼︎」

「な、なにィ!?」

「……えっ?何?何がどうなの?そもそもこの勝敗は誰がどう決めるの?いや、そりゃ普通に考えたらプレゼントもらう側のカナメちゃんの喜び具合なんだろうけど?」


「……ま、まあ、こんなものを出されたら認めざるを得ないわね、悔しいけど、今回はあなたの勝ちってことにしといてあげる」


「ありがとう‼︎」

「……なんでプレゼントもらった側が悔しそうにしているんだ?でも負けを認めたってことは嬉しかったんだよね?ね?」


「そうよ、こんなの反則に近いけど……まあ確かに今私の一番欲しいものって言ったらこれだったから仕方ないわ」


「でしょ?私実は自身があったんだー、これできっと勝てるって」

「チッ、小癪な」

「まあ、これでカナメちゃんからの許可も出たことだし、これからは堂々とさせてもらうわ‼︎」

「当然"決まりは"守りなさいよ?」

「わかってます‼︎わかってますってば‼︎」

「えっ?何?一体何が決まったの?何を賭けての戦いだったの?一体何を渡したの?ここからじゃ見えないんだけど!?」

「そりゃ、あれよ、あれ」

「その通りよ、全く、絶対勝たせる気はなかったのに、やられたわ……」

「あれ!?一体あれってどれ!?」





「……親権よ」

「頭おかしいんじゃないのか!?」

「そのかわり私があなたの幼馴染になるわ」

「頭おかしいんじゃないのか!?」


「これからは私が潤の母親を名乗るわ‼︎よろしくね?我が息子‼︎」

「私が潤の幼馴染ね?よろしくね?潤」


「……頭おかしいんじゃないのか!?」


(まさかのどんでん返し)

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