この物語を読んで、わたくしは幼いころの自分を思い出しました。
恋したのはぬいぐるみではなく、十匹の子猫を抱えた雌猫でした。
一緒に仲良くねこまんまを食べて、保育園から帰ってきたときはお迎えに来てくれて、ずーっとずっとそんな日々が続くと思っていた……だけど、あるとき猫たちはごっそりいなくなっていて、父親が言うんです。
「親切なお姉さんが、全部もらってくれた」と。
そんなわけないでしょう!?
だけど言えなかった。
親に養われてる保育園児が言えることではなかった。
ならばなぜ、飼っていたのだと。
そして、あの猫たちがされたように、自分も同じ末路をたどるのだろう、と思いました。
結局、今も猫が大好きで、ラブラブなのですが、これがぬいさんだったとしても、同じく卒業なんてしなかったと思うのです。