第7話 逸般車
黒水先輩の指示通りのコンビニに行くと、先輩が俺に気付いて手を振ってくれた。
先輩の背後には先輩のものだろう、暗い緑色の国産オフロード軽が停まっている。
「来たか。早速だが家まで行くぞ、狭い車だがソコは勘弁な。」
「このジ○ニー、先輩の趣味ですか?」
「まあ…な。」
そう言って先輩は俺の装備入りバッグを車体後部のスペースに放り込んで俺を助手席に乗せた。
そんな先輩のジ○ニーはグリルガードに大径タイヤ、サスペンションも伸びている。スペアタイヤケースにはラダーとスコップもマウント済み。
ぶっちゃけ軍用車と大差ない見た目だ、良く見りゃウィンチとかロールバーまで付いてるし…
「実を言うと、サバゲーマーの大多数は普通の車に乗ってるんだけどな…俺の方が特殊な例だ。」
「え、そうなんすか?」
「まあ車にかける金があったら装備や銃を買うって人が大多数だ。それに、普段からミリタリー趣味を表に出すのを避けたがる…円滑な人間関係のためにな。」
「あー…なるほど…」
俺も今まで家族・親類から散々『平和主義』な『お説教』を貰いまくったから分かる。
趣味ってのは時に人間関係をぶち壊すほどの地雷になり得る、『普通の人』を装うのも当然だろう。
だから、逆に気になるのだが———
「じゃあ、なんで先輩はこの車に乗ってるんですか?」
「ん?あぁ、さっき言った事とは逆の考えだな。ミリタリー嫌いがこんな車に乗ってる奴に積極的に関わって来る事無えと思ってな、実際のところ同類しか来ねえ。」
「えぇ…」
そんな事あるんかい…
などとたわいも無い雑談をしてる間に、先輩が車を止めた。
「到着だ、ようこそ我が家へ。」
まあ普通の民家だった。
…庭の芝生にギリースーツが干してあったり、ガレージがそこそこデカい事を除けばだが。
6ミリmilitary 発砲スチロール @Appleseed_King
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