第6話 宣戦布告
練習を続けるうちに、日が落ちて暗くなった。俺と須賀川は当日使う予定の装備を受け取って帰る事になった。
「一応、加藤は親がアレだって話だから外からだと中身が分からんようにただのボストンバッグに詰めておいた。」
「お、ありがとうございます。一人暮らしなんですけど、いつ親が来るか分からないので…」
「なるほどな…何かあれば連絡くれ。俺たちの誰かがすぐに向かう。」
「はい、その時はよろしくお願いします。」
その後帰宅した俺はボストンバッグ(装備入り)を仕舞おうとして、自分の部屋にそんなサイズの収納が無い事に気付いた。
「やっべえ…コレどこに置くか…。」
そんな事を呟きながら装備の置き場を考えていると、突然ポケットからスマホの着信を知らせる振動を感じた。
俺はスマホをポケットから抜き、画面を見る。
「うそーん…」
母親からだった。
タイミング的に嫌な予感しかしない、コレがラノベなら確実に一悶着起きるフラグだ。
渋々、恐る恐る、躊躇いながら応答ボタンを押す。
「もしもし…」
『「もしもし…」じゃないよ、アンタまた変な遊びに手出したらしいね!?』
「いや、変じゃなくて、サバ『言い訳はそっちで聞くから、大人しく待ってな!』
「何を待てと『明日そっち行くから!危ないもん持ってたら没収だからね!』
「いきなり何を———切れてるし…」
返事をする前に電話は切れた。
どこから情報が漏れたとか、俺の都合ガン無視なのかとか、疑問とツッコミ所が満載なのだが…今出来る事はそう多くない。
ひとまず、俺は先輩のアドバイス通りにスマホの連絡先を漁って、黒水先輩に電話をかけた。
『———もしもし?』
「あ、黒水先輩ですか?加藤です。」
『…もう、か?』
「はい、かなりキレてます。どっかから聞きつけたみたいです…」
『そうか…いつだか分かるか?』
「明日、だそうで。」
『とりあえず、装備を俺の家に置きに来るんだ。作戦会議と行こう、瓶辺と金羽も呼んでおく。』
「ありがとうございます!では…」
『あぁ…。』
とりあえずどうにかなる…のか?
切り際に『折角の花金を初っ端から潰しに来やがったな…』とか言ってた気がするけど、今はとにかく先輩の所に行こう。
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