最高の拳華祭り 開幕!
黒銘菓(クロメイカ/kuromeika)
第1話
現在編集中
「たぁぁぁぁのしぃぃぃぃ!!」
「八華お姉ちゃん!!ラリアットで人に人をぶつけるのは止めて!
ヒロイン!お姉ちゃんヒロインなんだから!!」
「ラリアットを手頃な相手に喰らわせつつ、隙を窺う輩にぶつけて狩る。
無茶苦茶だが、動体視力と膂力だけなら厄介この上無い。」
シェリー嬢が奇妙な口調で分析する。
「HAAAAAAAAAAHAHAHAHAHA!」
バーサーカーヒロイン?が暴れ回る。
ちぎって投げてぶつけて
ちぎって投げてぶつけて
ちぎって投げてぶつけて
ちぎって投げて…キャッチされた。
「面白い嬢ちゃんが居るのー。」
目の前に居たのは小柄なお爺ちゃん。
へらへらと笑う、小柄で細く、脆そうな体躯に好々爺を貼り付けた………化物だ。
「おじいさん、油断させる気なら最初っからキャッチなんてしない方が良かったよ?」
私のラリアットピンボールをあろうことかキャッチした。
というか、力を殺していた。
ただのおじいさんが当たったら、上半身無くなる様な威力の投人間を、幼児の投げたボールみたいに軽く止めるなんて、化物以外に何て言う?
「合気道…だな。」
「シェリーちゃん、何か知ってるの?」
「武術の一つ。相手の運動エネルギーのベクトルを操作して自身に向けさせ、更に自分の力を加えて強力なカウンターを喰らわせるもので、武術に心得の無い西洋の人間は魔法と勘違いする者も多い。………成程、あのモリアーティー式格闘術に似ている気がしたのは気のせいでは無いのですね。」
「?」
解説&実況が話す中、合気道使いとヒロイン?が対峙する。
(あのおじいさん…多分ウチの一族級にヤバイ。)
人外魔境の一族の八坂家。
その中に居てもあのお爺さんは不自然じゃない。
相手は多分合気道使い。
なら、下手な手は打てない。
「じゃぁ、正面突破と行こうか!」
クラウチングスタートの構えをして…………
『用意…ドン!』
地面を蹴り飛ばして自身を前に吹き飛ばす。
空気の壁にぶつかりながらもそれをブチ破り、距離が一気に詰る。
拳が圧縮された空気を破ってお爺さんに………
「うをぁッ!」
拳が直撃する寸前で…お爺さんが消えて私がすっ転んだ。
「お姉ちゃん!」
「教授!あれは…………あぁ、彼女が一撃を与える寸前に、老人が屈んで躱しつつ、彼女の足を体で押した。
彼女はそのまま吹っ飛んで………おやおや、コレはまた面白い方向に吹き飛んだものだネ………。」
やっぱりあのお爺さん。マジだ。
ただの老人のキレじゃない……あと、眼の奥に明らかに穏やかじゃない何かが居た。
あと、向こうから風の音が聞こえる。
この音、私の技に似てる!
「あれって……お姉ちゃんの技⁉」
「腕の関節を無理矢理独楽の様に回転させ、正面に強力な破壊作用をもたらしている様だね。
つまり、私の知る限りの人間では無い。」
吹き飛びながら少女が目を輝かせる。
「アレって夢にまで見たワム〇!」
最高の拳華祭り 開幕! 黒銘菓(クロメイカ/kuromeika) @kuromeika
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。最高の拳華祭り 開幕!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます