一ヶ月の恋

@taoli

第1話

それは2月11日の話。 その日、彼女も私も休みの日だった。 彼女は

「今日は東京から戻ってきた友達と一緒に遊びに行く約束をした」 と言ったから、朝は彼女の家まで送った。

「明日は朝の 7 時に出勤するから、あまり遅くまで遊ばないでね」 「うん、9 時か 10 時くらいには家に帰るから心配しないでね」 という話だった。

その友達と遊びに行くから現金を下ろしたいけど、ちょうど祝日で、手数料もかかるか ら、私から一万円を渡した。

そして夜、9 時半ころまではちょこちょこ line での話をしてきたが、その友達と食事を したり、映画を見に行ったりして、急に連絡が無くなって心配した。

10 時になったら私は心配しながらお風呂に入った。 風呂上がりになっても連絡がこないとどうしようとすごく不安だった。 そして、やはりずっと連絡が来なくて 10 時半になった。 「これはまずいね、絶対に何かあった」と思い、不安の気持ちが胸に充満してきた。

「よし、彼女の家に行ってみよう、たとえ遅く帰ってきても確認しないと眠れない」とい う考えで 10 時半に出かけた。

彼女の家に着いたのは 11 時前後、元々50 分ほどかかる道は、夜だから空いているか、 心配する気持ちが働いているか、30 分で着いた。そして彼女の家の向こうに車を止めた。 「家に来たよ、まだ帰ってないの」とメッセージを送った。

だが、何回送っても失敗だった。何か携帯の調子が悪いようだ。もしかして sim カード の接触不良じゃないかと思って、何回もカードを抜いたり、携帯を再起動したりをしたが、 まかにその時、

彼女は家から降りてきた。 「なんで、そんな時間に降りてきたんだろう。私からの連絡も届けてないのに、何をしに 来たんだろう」と凄く嫌な予感をした。

よく彼女の姿を見てみると、明らかにお風呂に入ったばかりで、髪の毛も濡れたまま、 いつものカバンを持っていて、ちゃんと靴も履いていた。私の車を見たからここに向かっ てきた。

「どうしたの」と訪ねてみた。 「今からお母さんとご飯を食べにいく」と返事してくれたが、その慌てている顔は薄暗い 夜には正直にいうと、ちょっとショックだった。普通に彼氏が心配して家まで見に来たら サプライズくらいに嬉しいのに、彼女からその嬉しさは全く感じていなかった。 「そっか、じゃあ気を付けて行ってね」と私は冷静に言葉を返した。 「大丈夫だから速く帰ってね」と彼女からのその言葉で、まるで私をさっさと帰らせよう とした語気はとても残念で、がっかりした。そして嫌な予感も膨らんでいる。 その後、彼女は家に戻った。

私はもう一度携帯を弄り始めた。でもなかなか使えなくて、どうしようもないと思った 時に、暗い道端から一台の車が走ってきた。そして、彼女の家の下に止まった。

私と同じ車種の車から一人の男が降りてきた。


「絶対にこの人だ」と、まるで神様の言葉のように頭の中で響いている。 その男は降りてから携帯を取り出して、何か連絡しているように見えた。

「まさか彼女が降りてきたのはその男に会いに来たんじゃないよね」と直感が私に言って くれた。

私が帰らないと彼女は降りてこないだろうと考えながら車を出した。

そして 20Mほど走って、横道に入って一度車を止めてきた。もし、本当にその男に会 うならこの目で確かめたいし、彼女を信じているから絶対に違うだろうと確認もしたい。

こっそり後ろから接近しているうちに、その車は走り出した。私の目の前で通って去っ た。助席はよく見えなかったため、どうしようと、一瞬何も考えられなかった。

とりあえず車に戻って追いかけたが、助席は高くて後ろから何も見えなかった。じゃあ、 横から追い越し、少し見てみようとした。

300Mくらいの時点で、助席側から追い越し、ちらっと見ると、何もなかった。

やっぱり私の勘違いだよね。少しホッとしながら向こうのアパートにある駐車場に入り 込んだ。

しかし、その車も付いてきて、私の後ろに停まっていた。もしかして私が変な追い越し をしたせいか、説教に来ただろうと思った。

その男の人が降りてきた瞬間、アパートの灯りでよく顔を見てみると、私はその人の雰 囲気から何となく自分の姿も見えた。まるで鏡を見ているように。

試して聞いてみた。

「xxx xxx さんは知っている?」 「知っているけど」と何も遠慮せずはっきり答えてくれた。

心が切り開かれるように痛かった。まさか今までの予感は全部正しかったでは? 「こんな時間に二人で何をしているの」とその男に聞いた。

無言....

「じゃあ、直接彼女に聞こう」と、私はその車の助席に迎えた。

なるほど、彼女は車に乗ったら席を倒して横になっているから、後ろからも横からも何 も見えなかったか。

そして、彼女はとても不安や怖がりの顔をしながら降りてきた。 三人共、暫くの無言....

その男は私に聞いた。

「どちら様ですか?」

そうだね、こんな状況では、私は一体誰だろうか、ここで何をしているだろうか、自ら も分からなくなった。

「彼女に聞いて、私はだれ」と、私は話を彼女に投げた。

「職場の先生!!!」

地面に穴が空いたら入りたいくらいの返事だった。切り開かれる心はその時点にボロボ ロになった。 「何を言っている?先生?ただの先生なの?じゃあ今までの一ヶ月は何なんだ?」 そしてその男からも彼女に確認のように聞いた。

「彼氏?付き合ってるの?」 「いや、付き合っていないよ、ただの先生だった。」と、彼女は無力に答えた。


彼女に近付こうとしても彼女は私を直面できず、目線をそらして、目つきはあやふやで、 逃げているように後ろに下がりつつある。手を伸ばしても近づいてくれなかった。 「じゃあ、この人はだれ?」

と、私はその男のことを彼女に聞いた。

その男は自ら

「元カレだよ。」

と、正々堂々と答えてくれた。 「お母さんと一緒に御飯を食べに行くでしょう、お母さんは?」と訪ねてみたら 「お母さんは家にいるよ」と、彼女は嘘を付いたことを確信した。

「ただの先生だ」

「付き合ってないよ」

「なんで追いかけてきたの」 「不信でしょう、家の下で待ち伏せをしたよね、見張ってるよね」

彼女のその言葉は私の耳を響かせて、心を撃沈した。 中略......

「じゃあ、いいよ。二人、どうぞ」と、 私は諦めていた。そして、二人は解放されたように去っていった。

その後、通信会社からメールが届いた。 「お客様の各位

2020 年 2 月 11 日(火)19 時 34 分頃より、全域エリアのデータ通信サービスがご利用 できない状態となっておりましたが、現在は復旧しております。」

そっか、だからその時、何も連絡できなくなったか、家にいた時は wifi があるから大丈 夫だったけど、家を出たらそうだったか。まるで神様のイタズラのように、私は神様にも 彼女にももてあそばれたか。

翌日以降

何もできず、寝れなくて食欲もない日々が続いていく... タバコとお酒しか喉を通せなかった。 彼女はまるで逃げたように私に会う気がなかったし、メッセージは少し返事してくれた

が、何もかも建前の返事しか感じていなかった。 振り替えるてみると、楽しい思い出ばかりだった。 最初、彼女からの手紙で気持ちを感じて、ちゃんと向き合った悔いがない恋をしようと

私は決心した。実際に付き合ってから、彼女と考えや生活も色々合って、時には同じ言葉 も口にするなんて不思議だと思った。

一緒に、いちご狩りに行ったり、映画を見に行ったり、海を散歩したり、今でも目の前 で浮かんできて、唯一違うのは彼女はもうそばにいないことだ。ほぼ毎日彼女を職場まで 送って、退勤する時間を合わせて迎えに行って、家に寄って一緒に私の家に来て、美味し いご飯を作ってあげたり、洗濯してあげたりしていた。独身の時よりは大変かもしれない けど、彼女のそばにいて、彼女のために何かしてあげることに対して、私は幸せだった。


彼女の誕生日は 2 月 5 日、そして私は 2 月 7 日、こんなに近い誕生日なんて、まるで運 命のように感じて、一緒に誕生日お祝いをしようと約束した。

2 月 5 日は彼女が普通に仕事に行って、 「夜はお母さんと一緒に誕生日を過ごすね」と言われたから、ケーキ屋に行って、可愛い ケーキを二つを買って、「お母さんと一緒に食べてね」と、職場に送っていた。

2 月 6 日、二人共休みの日に、私の家で一緒にお祝いをした。もちろん事前にケーキも 蝋燭も用意した。彼女に蟹のデザインをする可愛いネクレスをプレゼントをしたが、彼女 からは何もなかった。その時は何も考えずに平気だったが、正直少しがっかりだったかも しれない。

付き合って短い一ヶ月だったけど、楽しくて幸せで、一年分の恋をした気分になる私は、 その衝撃で立ち直すことができず、周りの親友たちに相談を乗ってもらった。それでも彼 女のことを心配で、誰か彼女の相談できる人がいないかな、もしそういう人がいなかれば 彼女は一人で悩んで、苦しんで、凄く不安だった。

二週間ずっと会えなくて、その中ではメッセージでのやり取りをし、彼女は何回もこの 恋を諦めようとしていたが、私は最初から彼女に「何かあっても絶対に手を離さない」と 約束をしたゆえ、どうしても会ってちゃんと話をしたいと言っても無視されていた。でも、 私の家にはまだ彼女の荷物がいっぱいあって、それらを見るたびに心が痛くて、思い出が あっという間に湧いてくる。 「どうしても話をしてくれなかったらせめて荷物をちゃんと返したい」と、勝手なことだ が、彼女の家の近くにある島で一晩待っていたが、彼女は現れなかった。

寒い夜に一人で何もない島で暗闇に陥ていた。

to be continued

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