概要
いつわりを生きる少女は、物語に耽溺した
中国のスリーパーとして、いつわりの人生をアメリカで生きる少女ルー・シェンシュエ。
図書館に入り浸り、本を愛することに慰めを求めるが、一発のミサイルによりついに戦争が始まり……
Twitter殺伐百合投稿企画「殺伐感情戦線」より、題は「凶悪」。
図書館に入り浸り、本を愛することに慰めを求めるが、一発のミサイルによりついに戦争が始まり……
Twitter殺伐百合投稿企画「殺伐感情戦線」より、題は「凶悪」。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!夢果つる街
綿密なディテールと重厚な描写に裏打ちされたスパイ小説。ミリタリー、冒険小説への深い素養を滲ませる文体が、まずは見事だと思います。その手の作品のファンならずとも、この硬質で殺伐とした空気感に圧倒されるはずです。
いっぽうで図書館でのやり取りは、本好きならばつい頷きたくなるような優雅さに満ちています。本によって結ばれる友情、あるいはそれ以上の感情に、声援を送りたくなるのです――それがひとときの夢に過ぎないと、予告されているのだとしても。
後半の展開は圧巻です。前半、静かに積み重ねてきたものが、そういう形で――と驚愕します。最後には乾いた詩情とでも言うべき哀切さが、胸に残ります。
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