四年に一度にご開帳となる千手観音。なにゆえに四年に一度なのか、二十七面たちがわいのわいのと議論しあう物語。ユーモラスに仏教と千手観音、あるいは人間を描いていて、会話の間合いがとても面白かったです。ショートストーリはなかなかまとめるのが難しいのに、綺麗に最後くるんでいるので感嘆でした。なにより、題材に千手観音を選んでくるあたり、オリジナリティーに溢れていて、作者さまの発想と着目はすばらしいと思いました。似たよう作品をよく読む昨今、自分にも気づかせてもらえるものがあった作品でした。
作者の潤沢な仏教の知識が広く活かされた本作、たまには軟禁(?)された側の立場で考えるのも一興かもしれない。基本的には仏教は無神論らしいが、観音様も神様にでもすがりたくなっているかもしれぬ。 詳細本作。
その千手観音様は、4年に1度しかご開帳されない。霊験あらたかなその千手観音様は──不満に思っていた。***愚痴が人間臭いwww千手観音様ともあろうお方がwwwまさかこのお題でクスリと笑わせられるとは思いませんでした。他とは違った視点の『四年に一度』を読みたければ是非。