僕は四年に一度異世界転生する
ドゥギー
閏年に転生する少年
四年前の2月29日、心臓発作を起こした僕は現実世界での生涯を終え、剣と魔法にあふれる異世界へ転生を果たした。
異世界では魔王率いる数多くの魔獣たちに人類は脅かされていた。転生する際にチート魔法を授かった僕は勇者として、仲間たちとともに魔獣たちを次々と倒していった。
僕が授かった魔法は時魔法。時間の流れを自由に操る魔法だ。味方の時間を早くして素早くさせたり、敵の時間を遅くして相手の動きを遅くさせたりできる。究極的には相手の時間を完全に止めることさえも。僕らは時魔法によって、魔獣たちの動きを完全に止めて、タコ殴りにして撃退していった。仲間たちが攻撃する一方、僕は身動きが取れない。完全に時間を止める場合、術者である僕の肉体の時間も止まってしまうのだ。
仲間たちの協力もあり、僕たちはついに魔王の足元までたどり着いた。眼前の魔王は禍々しいオーラを放っている。僕たちは雄叫びをあげる。
「いよいよ、最後の戦いだ。行くぞ!」
「オー!」
すると魔王が素早く僕たちの方へ突進してきた。僕は急いで完全停止の時魔法を唱える。
魔王は僕の1メートル前で動きが止まった。よし、魔法は成功したようだ。あとは仲間たちがとどめを刺してくれれば…… しかし、いつまでたっても静寂が続く……
そして、この状態のまま4年が過ぎた。僕は魔法を解くわけにはいかなかった。なぜなら、僕のお腹に大きな穴が空いているから。魔王の突進による衝撃で魔法がかかる刹那に致命傷を負ってしまったらしい。仲間たちもこの衝撃でやられてしまったのか…… とにかく解いた瞬間、僕は確実に2度目の死を迎えるであろう。
しかし、僕は魔法を解きたい衝動にもかられていた。なぜなら、魔王がカワイイから。彼女の美しい顔に僕の心は奪われてしまった。つぶらな瞳、卵型の輪郭、高い鼻、潤いのある唇、ツインテール。どれも僕の好みだ。4年間色褪せない美しさに僕の気持ちは募っている。彼女に告りたい…… 死んでもいいから想いを伝えたい。死の恐怖と恋心にこの4年間揺れていた。
ドゴゴゴゴゴゴゴ
突如、大地が大きく揺れた。地響きによって、僕の体が彼女の方へ傾いていく。このままキスできるか? 僕は淡い期待を寄せた。が、僕の頭は彼女の顔に届かなかった。このまま地面にひれ伏すのか? と思った瞬間、傾きが途中で止まった。位置としては胸のあたりか……
胸⁈ ま、まさか、僕の顔が彼女の、彼女のお、おパイ、いやおっぱいに当たっているのか! 目を凝らすと彼女の胸の谷間が至近距離があるのだ。転生前は童貞高校生だった僕。転生した後も仲間たちは男だけのパーティで女っ気が全くなかった僕の人生。一世一代のチャンスがここにある。僕の想いは最高潮に溢れていた。
僕は魔法を解除した…… 強烈な痛みが襲う。 事切れる直前、僕は力を振り絞って彼女に想いを伝える。
「お…… っ…… ぱい、やわらかい」
一瞬、暗闇に包まれた後、僕の視線ははるか上空から魔王を見下ろしていた。魔王の前には頭がない死体が一つ。どうやら俺は彼女に頭を吹っ飛ばされたみたいだ。今の僕は魂の状態か。4年前はこの後女神が現れて、異世界に転生したんだよな。もう、そんなことないよな……
すると上空から光が差し込んできた。光を見上げると現れたのは4年前出会った女神だった。女神が僕に語りかける。
「勇者よ、残念でした。 もう一度チャンスを与えましょう。望みを言いなさい」
僕は女神の胸元に目が行く。
「お…… っ…… ぱい、触りたい」
バチコーン!
大きな衝撃とともに僕の視界が暗闇に包まれる。次の瞬間、僕が目にしたのは見知らぬ天井だった。
僕は四年に一度異世界転生する ドゥギー @doggie4020
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