第2話朝2
蕾に別れを告げ、廊下を歩く途中の絵画等に眼をくれず早足で行く。
「アリーチェ様、もう少しゆっくり落ち着いてくださいませ、いい加減お祖父様の絵をご覧になってもいいではありませんか。」
「エリーゼ、私はお祖父様が嫌いな訳じゃないのただこの絵達が嫌いなだけよ。」
そう、ずらずら並ぶ祖父自慢の絵。上手い下手かといったら下手。大嫌い。
長い廊下の途中の部屋の前でエリーゼが歩みを止める
「アリーチェ様、お召し物を」
寝巻きのまま蕾の所に行ったので着替えていなかった事に気づいた。
部屋の中ではエリーゼの配下のメイド達が考えた服をもって待っていた。
「好きな様にしなさい。」
毎朝の事なので慣れた。
エリーゼがパンパンと手を叩くとメイド達が慣れた手つきで着替えを進めていく、さしずめ着替え人形の様に…
「アリーチェ様、終わりました。」
服担当のメイドが人間界で見た軍服ワンピースなるものを手作りしたらしい…仕事がらしっくりくるものがある。。あぁいいや
「アリーチェ様、食堂に行きますよ」
「わかった。」
部屋の前でお兄様が執事を連れて食堂に向かっているのに遭遇した。
「やぁ、アリーチェ今日も美しいね。」
「お兄様、おはようございます。」
執事とメイド長が挨拶を交わし終わると四人で歩き始めた
少し歩いた先に食堂があり執事が堅苦しい扉を開けるとお父様がどっしりと座り朝から厚切りの鹿肉を焼いた物を食べていた。
「おはようございます、お父様」
「アリーチェ、おはよう蕾の様子はどうだ?」
「いつも通りです。」
朝のいつも通りの会話をして席に座る。
お兄様は座るとすぐに政治についてお父様と語り出す。
「そろそろ、魔女集会が始まりますが、今回は何についての議題でしたか?父上」
「今回は、サタン様の次の妃は誰かだとよ、後は、新作魔法発表だとか。」
「父上の妃は一生あの方と何度もいってあるのに魔女達は飽きないようだ。」
「ははは、全くだなさて、アモンとアリーチェ私は当分魔界の仕事をして留守にする家と蕾をたのむぞ。」
お父様は、ワインを一気に煽ると本当の姿に戻った半分人間半分黒ヤギ頭。
メイド達は頭を下げると
「「行ってらっしゃいませ、サタン様」」
お父様は魔界鍵で扉をだし去っていった
花守り ひつじ @tie1360
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