概要
死体である「彼女」が望むから、ボクは星を撃つ
ボクは、飛来する小惑星や彗星や宇宙デブリなんかを地球への衝突軌道からはじき出す流星迎撃衛星に組み込まれている、人工知能だ。ボクの身体には地球の衛星軌道上から広大な宇宙を見張る三十五基の望遠鏡と、宇宙デブリを撃つ大出力のエネルギー砲、そして膨大な演算をこなすコンピュータが搭載されている。
そしてもう一つ、ボクは女の子の死体を、内蔵していた。
地球で死んでしまった十二歳の女の子とボクは電極で直接つながっていて、彼女の心肺はボクの電力で強制的に機能している。だから、彼女を死体と呼ぶのは正しくないのかもしれない。
彼女のために、ボクは禁止事項を犯して彼女の故郷たる地球を見下ろしてあげるのだ。
そしてもう一つ、ボクは女の子の死体を、内蔵していた。
地球で死んでしまった十二歳の女の子とボクは電極で直接つながっていて、彼女の心肺はボクの電力で強制的に機能している。だから、彼女を死体と呼ぶのは正しくないのかもしれない。
彼女のために、ボクは禁止事項を犯して彼女の故郷たる地球を見下ろしてあげるのだ。
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