596.【後日談7】ゲーム開発! にゃんコレーン
昼の中央広場にて。今はネコ科魔獣達の昼寝の時間。
今日は、ダンジョンマスターの
命君は長身で黒髪なので、前世の日本だとあんまり目立たないが、この都市だと目立つな。
先ほどから通りすがりの人が、チラチラと見てくる。
穂ちゃんは金髪だから溶け込んでいるが。
「穂にゲーム開発を任せてみようと思ってる」
「にゃー(無理だろ。まだ3歳7か月じゃないのか)」
「任せると言っても、大まかな企画だけだ。
実際の開発とか細かな調整や運営は、うちの機械ゴブリン達に任せる」
「にゃー(どんなゲーム作るとか決めてるのか?)」
「あぁ。猫を集めるゲームを作るっぽいぞ。『にゃんコレーン』とかいう名前の。
『にゃんこれ』の方がしっくりくる気がするが、そっちの名前は商標が先に取られてたからな。
画像や3Dデータはネットに大量に転がってるが、実物を見たいって言うから連れてきた」
だから
そして当の本人はハイテンションで走り回ってる。
「きゃはははは! 凄い凄い!
ジャグリオンにライガー、あれはタイゴンかな!?
珍しいのがいっぱい居る!」
「参考になりそうなのは居たかー?」
「うん! これなら
「そうかそうかー、俺には全部一緒に見えるが」
命君は、適当に聞き流しているが。
一攫千金なんて言葉を使う子どもは、ろくな大人にならない気がするぞ。
注意すべきだろうか。
「トミタ、穂の言葉遣いや考え方が多少アレなのは悪いと思ってるが。
最低限超えちゃいけないラインとかは守らせてるから、大目に見てくれ。
常識とか配慮とかを教えるのって、難しいよなぁ」
「にゃー(俺が思ってたこと、顔に出てたか?)」
「いや、耳がピクッ、ピクッってなってた」
それだけで分かるものなのだろうか?
俺は両前足で自分の耳を触ってみる。
ぷにぷに。耳は口ほどにものを言う。
◇ ◇ ◇ ◇
「にゃー(必要なデータは、外見の画像データと、触り心地データ、そして使用可能スキルデータで良かったか?)」
「あぁ。後は適当にこっち側で改変と調整すりゃいいだろ」
外見の画像データは、カメラ付きのデバイスでパシャリと2枚ほど撮れば、勝手に3Dデータに加工できる。
あと、使用可能スキルデータは既に魔獣都市マタタビ警察が持っているので、命君達がアクセスして使用することに俺の許可を出しておいた。
そして触り心地データ。
これを取っておけば、ゲーム内で触り心地が再現出来るのだとか。
センサー付きの手袋をつけた穂ちゃんが、魔獣達をわしゃわしゃ触っている。
「思ったより触り心地が硬い!」
「にゃー(あっちの長毛タイプの奴らはふわふわしてるぞ)」
「あと248体か……今日中に終わらなくね?」
「にゃー(1体1体にそんな時間かけずに、もう少し適当に切り上げれば、早く済むと思うぞ)」
「手抜きは駄目ー!」
というか、データ集めは命君の配下に任せてしまえば一瞬だろ。
もちろんそんな事は既に命君は想定済みらしく、こっそり配下に指示済みらしい。
あとは穂ちゃんの気が済むまでやらせるつもりなのだろう。
結局、穂ちゃんは合計7時間ほどネコ科魔獣達をモフったのだった。
おかげで後半の方は結構なモフテクだった。
そして猫育成型タワーディフェンスカードゲーム『にゃんコレーン』は、命君の会社の看板タイトルになるほど大ヒットするのだがそれは数ヶ月先の話。
異世界で猫になりまして 気まぐれ屋さん @kimagureyasan299
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