コミュ障の女性主人公が自殺に失敗したところから、物語は始まる。主人公は自分が自殺に失敗したことで、「死ぬくらいなら何でもできる」と思い、犯罪行為に手を染める。そんな中、自分に優しくしてくれた少女が、学校でイジメにあっていることを知る。主人公は学校に赴き、イジメをとめることに成功する。
しかし一転、空腹に耐えかねた主人公は、万引きをしようとする。そこで出会った幼い女の子は、主人公ができなかった万引きを、やすやすとこなしてしまう。
イジメに遭っていた少女と万引きする女の子、そして窃盗を繰り返す主人公の三人の奇妙な共同生活が始まった。
しかしある日、主人公は置き引きしたバッグの中に薬が入っており、その薬がなかったために人が危機に陥ったというニュースを見て、衝撃を受ける。誰にもそれほど迷惑をかけないつもりでいた。三人での共同生活が幸せだった。しかし、その幸せは罪によって成り立っていた。間違った幸せだった。
主人公は自首をすることにする。
これで三人での共同生活もお終い、かと思っていたが……。
文書がとても読みやすく、すぐに読み終わってしまいました。
また、犯罪の重大さに自分自身が気付き、それを土台に成り立っている幸せが間違った幸せであり、本当の幸せでないと気づく主人公を称えたくなります。
犯罪は悪いことを前提にしつつも、人間の弱さや社会の生きずらさを描いた社会風刺的な作品でした。
是非、御一読下さい。